家族になった来栖くんと。
ほほえみ合えた来栖くんと。




「つぐみ、無理はしないでいいのよ。午前中だけでもいいし、自分のペースでね」


「無理してないよ。友達にも会いたいし…」


「…なら、気合い入れて行きなさい!」


「わっ!…うん」



夏休みが明けて、新学期が始まる今日。

お母さんの朝食に迎えられた朝は、ガッツを出してくれる喝もセットだった。


いろいろあった夏休み。
いろいろありすぎた、夏休み。


学校を休むわけにもいかず、ここで休んだら癖になってしまいそうだからと、私は登校することを決めた。



「つぐ、なにかあったら弁護士の兄貴に任せとけ。世の中は法律がルールだ」


「…お兄ちゃんのそーいうとこ、きらい」


「え、おい、」


「じゃあ行ってきます」



トントンとローファーに踵(かかと)をしまい込んで、家族みんなに見送られながら玄関を開ける───と。



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