家族になった来栖くんと。
エピローグ
「寧々ちゃん、すっごく綺麗だったね」
やっぱり彼に愛された女の子はめちゃくちゃ可愛くなっちゃう。
────26歳、5月。
高校時代の友人の結婚式に参列した、帰り道。
「ねえ。まだ落ち込んでるの?」
すこし後ろを歩く存在へと、私は影越しに笑いかけた。
「……べつに落ち込んでるわけじゃない」
「ほんと?友人代表の挨拶、なかなか良かったと思うけどなあ」
出会ったばかりの頃は犬猿の仲だった彼らは、大人になった今ではお互いが信頼している数少ない友人同士。
としても、ゴールインを先越されたことだけがどうにも彼は面白くないらしいのだ。
ちなみに新婦側の友人代表は私だった。
「今日のご飯はどうする?披露宴で結構食べたから、私はお腹そんなに空いてないかも」
「俺も。わりと飲んだしな」
「あの白ワイン、飲みやすくて美味しかったね」
都内にもこんな場所があったんだと、新しい気持ちで足を進める。
ライトアップされた海浜公園を帰り道に選んだのは他でもなく、背後を歩く彼だった。