家族になった来栖くんと。
変わっちゃった来栖くんと。
「あっ、来栖くん。こんなところにお花が咲いてるよ」
お付き合いして2ヶ月が経った、中学3年生の冬。
学校帰り、道路の端。
私がしゃがむと同じようにしゃがんでくれる学ラン姿の彼。
花なんて興味なさそうなのに、来栖くんはいつも合わせてくれていた。
「これ、なんていうお花かな?」
「…なんだろ。俺タンポポくらいしか知らない」
「ふふ。タンポポかわいいよね」
この時代を生きる15歳の会話にしては、きっと幼い。
今日は天気がいいね、給食美味しかったね、明日の科学はなんの実験をするのかな───来栖くんからすれば退屈だったと思う。
でも私はクラスメイトの誰かの話ができるほど友達はいないし、みんながやっているようなSNSも興味がない。
流行りものに疎くて、来栖くんとの接点も全然なくて、そんなものがしょっちゅう申し訳なかった。