イケメンドクターは癒されたい!!〜まさかの推しは家事代行の中野さん〜
現状の生活は満足だ

世間でいうゴールデンウィークもあと2日

畑野慶悟(はたのけいご)は久しぶりの趣味のフットサルの試合後、夜の打ち上げで飲みすぎ、親友の大平翔馬(おおひらしょうま)に肩を担がれてマンションに帰ってきた。

慶悟はM大学総合病院に勤める整形外科医だ。

交代制の勤務だが2連休がフットサルの試合の日に当たることはなかなかない。

そして打ち上げでお酒を飲めることなんて珍しい事で、つい飲みすぎ、同じ病院で薬剤師として働く大学からのフットサル仲間の翔馬がタクシーで送ってきてくれたのだ。

慶悟のマンションの玄関を開けると、電気がついていない真っ暗な場所で翔馬は何かにつまづいた。

「痛てっ!何か足に当たったんだけど」

「んー、電気」

電気を付けると玄関には沢山の段ボールが置かれていた。

水やスポーツドリンク、トイレットペーパーや箱ティッシュなどが玄関からリビングに続く廊下を占領していたのだ。

狭い廊下を慶悟を抱えて、横歩きをしながらリビングを横切り、1番奥にある寝室へと運ぶ。

「重かった〜、水いるか?」

「…いる」

翔馬はいつも冷蔵庫に水が入っているのは知っていたのでペットボトルを持ってきて慶悟に渡した。
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