イケメンドクターは癒されたい!!〜まさかの推しは家事代行の中野さん〜
助っ人現る
「久しぶりに恋愛をしたくなった」
「私と?」
慶悟はゆっくり頷いた。
美麗も頷くと慶悟の電話が鳴った。
「病院からだ、ちょっとごめん」
慶悟は松葉杖で立ち上がり寝室に入って行った。
少しぼーっとしていた美麗だが我に返り書類と本の整理を再開させた。
医学書がたくさんある…畑野様も勉強頑張ってるんだ、そしてBGMがレミィの声だなんて…嬉しいけど、本当の事を話せる時がくるのだろうか…
メンバーのアミに言わせると私は家事をすぐしちゃって男をダメにすると言われている。
家事は好きだから大学も仕事も選んだし、全然いいんだけど、付き合い始めてしばらくすると当たり前の様に態度が変わってくるのだ。
私はただ、ありがとうと言ってくれればいいだけなのに…
畑野様はどうかな…家事は苦手なのはわかっているけど、ありがとうはさっきも言ってたから言葉にはしてくれそうな気がする。
寝室から戻ってこない慶悟の様子を見に行くとベッドで寝ていた。
美麗が書類をまとめているとインターフォンが鳴った。
モニターを見ると男の人がビニール袋を下げて立っている。
「どちら様ですか?」
美麗は尋ねてみた。
「大平です、慶悟は?」
「大平様、失礼致しました、ビスケットの中野と申します、少々お待ちください」
急いで玄関に行き、ドアを開けた。
「初めまして、ビスケットの中野です」
美麗は名刺を渡した。
「決して怪しいものではないので」
「大丈夫だよ、慶悟から聞いてる、お弁当も買ってきた」
お邪魔しますと翔馬はキッチンにお弁当を置いた。