イケメンドクターは癒されたい!!〜まさかの推しは家事代行の中野さん〜
初ライブに初デート

そして9月の最終日曜日、慶悟は仕事終わりにスーパーでお弁当を買い、マンションに帰るとお風呂を済ませてテレビの前で待機していた。

時間になるとドラムのスティック音がカウントをして曲が始まる。

「普通にこのバンドも演奏上手いんだよな」

慶悟は一人で呟いていた。

コメント欄も見るのが追いつかないほど流れていく。

「視聴者数もやばぁ」

基本慶悟はROM専で、ROM専とはコメントとかはしなくて見ているだけの人。

「この歌好きだな…」

レミィの優しい歌い方に癒される…

勉強をしながら聴くのでバラードを好む慶悟にはこの前のオリジナル曲は好きな歌だった。

あっという間にライブ時間が終わってしまった。

最後にレミィは挨拶をしていた。

ゆっくり落ち着いた少しハスキー気味の低音…

「良かった、感動した」

テレビの前で少し涙腺が緩んだ。


日付が変わる前にレミィは慶悟の家に到着した。

ライブが終わり、短めの打ち上げで食事をして帰ってきた。

「おかえり」

「た、ただいまです…お風呂…ケホッケホッ」

「ゆっくり入ってきなよ」

「は…い」

ライブで少しかすれた声をあまり聞かれたくなかった。

美麗は足早に着替えを持ってお風呂に入る。

1時間近く入っていた美麗はだいぶ声も出るようになっていた。

リビングには慶悟はいなくて、美麗も寝室に向かう。

慶悟はベッドの上で本を読んでいた。
< 50 / 54 >

この作品をシェア

pagetop