イケメンドクターは癒されたい!!〜まさかの推しは家事代行の中野さん〜
初ライブに初デート
そして9月の最終日曜日、慶悟は仕事終わりにスーパーでお弁当を買い、マンションに帰るとお風呂を済ませてテレビの前で待機していた。
時間になるとドラムのスティック音がカウントをして曲が始まる。
「普通にこのバンドも演奏上手いんだよな」
慶悟は一人で呟いていた。
コメント欄も見るのが追いつかないほど流れていく。
「視聴者数もやばぁ」
基本慶悟はROM専で、ROM専とはコメントとかはしなくて見ているだけの人。
「この歌好きだな…」
レミィの優しい歌い方に癒される…
勉強をしながら聴くのでバラードを好む慶悟にはこの前のオリジナル曲は好きな歌だった。
あっという間にライブ時間が終わってしまった。
最後にレミィは挨拶をしていた。
ゆっくり落ち着いた少しハスキー気味の低音…
「良かった、感動した」
テレビの前で少し涙腺が緩んだ。
日付が変わる前にレミィは慶悟の家に到着した。
ライブが終わり、短めの打ち上げで食事をして帰ってきた。
「おかえり」
「た、ただいまです…お風呂…ケホッケホッ」
「ゆっくり入ってきなよ」
「は…い」
ライブで少しかすれた声をあまり聞かれたくなかった。
美麗は足早に着替えを持ってお風呂に入る。
1時間近く入っていた美麗はだいぶ声も出るようになっていた。
リビングには慶悟はいなくて、美麗も寝室に向かう。
慶悟はベッドの上で本を読んでいた。