ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
第4話 見えてきたカラクリ
「お会いできてうれしい!」
「おお、ライラか」
ライラは飛びつくようにポールの腕にしがみついた。
まんざらでもない様子で、それをポールは受け止めている。
「ライラ、場を弁えなさい」
「あら、アンドレアお姉様もいたの。ご機嫌いかが?」
そんなもの良いわけあるはずないだろう。
それが分かっていて、ライラはわざと言っているのだ。
「わたくしの言ったことが聞こえなかったの?」
「だって、久しぶりにポール様にお会いできたんだものぉ」
何が久しぶりなものか。
使用人の話では、あれ以来ライラはシュナイダー家に入り浸っているらしい。
「だってじゃないわ。あなたはもう成人した立派な淑女なのよ?」
「ポール様は憧れのお義兄様なの。たまにはいいじゃない、これくらい」
甘えるように言って、ライラはさらにきつくポールの腕にしがみついた。
「その辺にしておきなさい、ライラ」
「もう、お父様まで!」
「お父様……」
やって来た父親に、ライラは頬を膨らませた。
ライラは今日、ケラー侯爵である父にエスコートされて来たらしい。
ちゃんと見張っておけと、アンドレアが非難めいた視線を向ける。
するとケラー侯爵はさっと顔を反らしてきた。
(お父様のこの反応……)
これはポールとライラの関係を黙認しているとしか思えない。
さらにしつこく見つめるも、ケラー侯爵は気づかないふりをしてポールに向き直った。
「ポール様、娘がとんだ失礼を」
「いや、何も問題ない。俺も可愛い義妹に会えてうれしいくらいだ」
「いやぁん、ライラもうれしい!」
先ほどからのライラの仕草は可愛らしいと言えば可愛らしいが、社交界デビューを果たした令嬢としては完全に失笑の対象だ。
ポールと負けず劣らず甘やかされて育ったため、ライラは昔から何を言ってもこの調子だった。
「ね、お父様。ポール様と踊ってきていい?」
「今日は我慢しなさい」
「でもぉ……」
今日は、ということは、踊ってもいい日があるということか。
(お父様の嫌疑は確定ね)
「おお、ライラか」
ライラは飛びつくようにポールの腕にしがみついた。
まんざらでもない様子で、それをポールは受け止めている。
「ライラ、場を弁えなさい」
「あら、アンドレアお姉様もいたの。ご機嫌いかが?」
そんなもの良いわけあるはずないだろう。
それが分かっていて、ライラはわざと言っているのだ。
「わたくしの言ったことが聞こえなかったの?」
「だって、久しぶりにポール様にお会いできたんだものぉ」
何が久しぶりなものか。
使用人の話では、あれ以来ライラはシュナイダー家に入り浸っているらしい。
「だってじゃないわ。あなたはもう成人した立派な淑女なのよ?」
「ポール様は憧れのお義兄様なの。たまにはいいじゃない、これくらい」
甘えるように言って、ライラはさらにきつくポールの腕にしがみついた。
「その辺にしておきなさい、ライラ」
「もう、お父様まで!」
「お父様……」
やって来た父親に、ライラは頬を膨らませた。
ライラは今日、ケラー侯爵である父にエスコートされて来たらしい。
ちゃんと見張っておけと、アンドレアが非難めいた視線を向ける。
するとケラー侯爵はさっと顔を反らしてきた。
(お父様のこの反応……)
これはポールとライラの関係を黙認しているとしか思えない。
さらにしつこく見つめるも、ケラー侯爵は気づかないふりをしてポールに向き直った。
「ポール様、娘がとんだ失礼を」
「いや、何も問題ない。俺も可愛い義妹に会えてうれしいくらいだ」
「いやぁん、ライラもうれしい!」
先ほどからのライラの仕草は可愛らしいと言えば可愛らしいが、社交界デビューを果たした令嬢としては完全に失笑の対象だ。
ポールと負けず劣らず甘やかされて育ったため、ライラは昔から何を言ってもこの調子だった。
「ね、お父様。ポール様と踊ってきていい?」
「今日は我慢しなさい」
「でもぉ……」
今日は、ということは、踊ってもいい日があるということか。
(お父様の嫌疑は確定ね)