婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

17.ただ、少し

「それで? いったいどうして体調が悪くなったんですか?」


 ライノアが尋ねると、ロゼッタはふぅとため息を吐いた。


「わたくし、存在を思い出すのもおぞましいほど大っ嫌いな男がおりますの」

「え? そうなの?」


 クロエが思わず身を乗り出す。基本、博愛主義――というかお金至上主義なロゼッタなので、これまで嫌いな人間がいるなんて話は出たこともなかったのだ。


「なるほど。つまり、その男性は貧乏なんですか?」

「そういうことです。話が早くて助かりますわ」


 ライノアの質問にさらりとこたえ、ロゼッタは満面の笑みを浮かべると、空いていた椅子へと座った。


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