婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

24.隣国の文官

 移動すること数日間、一行はようやく隣国の王都へとたどり着いた。


(なんだかドッと疲れましたわ)


 ロゼッタは隣国の荘厳な城を見上げながら、ホッとため息をつく。
 ターゲットと四六時中一緒ということは、気を抜く暇がまったくないということ。もちろん、アピールする機会が多いのはありがたかったが、一つのミスが一生を左右しかねないので、中々のストレスだった。

 とはいえ、今回の収穫はかなり多い。

 移動をしている数日のうちに、ロゼッタはトゥバルトと数回食事をすることができた。警護の間を縫っての短い時間ではあったが、トゥバルトはロゼッタにいろんなことを話してくれたし、本当に気前がよかった。さすがは今、もっとも潤っている領地の主だとロゼッタが感心するほどに。

 長期休暇になったら領地に招待してくれると約束を取り付けたし、婚活の手応えはかなり上々だ。

 けれど、いい雰囲気になるたびにクローヴィスがちょっかいを出してくるのが厄介だった。


< 146 / 318 >

この作品をシェア

pagetop