婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

28.価値観の変化

「助けてくださってありがとうございます」

「どういたしまして」


 ロゼッタはすぐに男性へお礼を言った。男性は謙遜するでもなく、すんなりとロゼッタのお礼を受け入れる。


「うちのお姫様が『どうしても気になる』ってうるさいものだから、ずっと様子をうかがっていたんだ」

「お姫様って……」

「自己紹介が遅れたね。僕の名前はランハート。王太女ライラ殿下の婚約者だよ」

「あなたが……! はじめまして。わたくしはセリーナ殿下の侍女、ロゼッタと申します」


 ロゼッタが深々と頭を下げると、ランハートはクスクスと笑い声を上げた。


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