婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
30.告白
曲が終わったところで、ロゼッタはトゥバルトと微笑み合う。と、背後から強く手を引かれて、思わず声をあげてしまった。
「ロゼッタ嬢」
「え? クローヴィス殿下」
誰かと思えば、それはクローヴィスだった。人前ではいつも浮かべている笑みが消え去り、切羽詰まった表情を浮かべているように見える。
「あの、なにか……」
「こっちに来て」
クローヴィスはそう言うと、ロゼッタを連れて人混みをぐいぐい抜けていく。道中、驚いた表情のセリーナの表情が目に入る。ロゼッタが口を挟むまもなく、クローヴィスは会場を出てしまい、二人は夜の庭園へと到着した。
「クローヴィス殿下、さすがに強引がすぎますわ!」
ようやく立ち止まったところで、ロゼッタが抗議する。と同時に、クローヴィスがこちらを振り返った。
「クロ……」
けれど、彼の顔を見た瞬間、ロゼッタはなにも言えなくなってしまった。切なげに細められた瞳に、固く閉じられた唇。まるでクローヴィスの苦しさが自分に乗り移ったかのようだった。
「ロゼッタ嬢」
「え? クローヴィス殿下」
誰かと思えば、それはクローヴィスだった。人前ではいつも浮かべている笑みが消え去り、切羽詰まった表情を浮かべているように見える。
「あの、なにか……」
「こっちに来て」
クローヴィスはそう言うと、ロゼッタを連れて人混みをぐいぐい抜けていく。道中、驚いた表情のセリーナの表情が目に入る。ロゼッタが口を挟むまもなく、クローヴィスは会場を出てしまい、二人は夜の庭園へと到着した。
「クローヴィス殿下、さすがに強引がすぎますわ!」
ようやく立ち止まったところで、ロゼッタが抗議する。と同時に、クローヴィスがこちらを振り返った。
「クロ……」
けれど、彼の顔を見た瞬間、ロゼッタはなにも言えなくなってしまった。切なげに細められた瞳に、固く閉じられた唇。まるでクローヴィスの苦しさが自分に乗り移ったかのようだった。