婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

31.帰国とロゼッタの変化

 ロゼッタはひとり、ベッドに寝転がっていた。


(やっぱり住み慣れた自分の部屋が一番ですわね)


 昨夜遅くに帰国をし、自分の部屋に戻ってからすぐに、ロゼッタは泥のように眠った。
 隣国ではロゼッタも客人のひとりとしていい部屋を用意してもらったし、食事も美味しく、普段よりも仕事は少なかったはずなのだが、慣れない場所で過ごすことで知らず知らずのうちに体が強張っていたのだろう。また、長期間移動をしたことで、相当疲れが溜まっていたらしい。

 気づけば今はお昼すぎ。こんなに長い時間連続して眠ったのははじめての経験で、ロゼッタは自分自身に驚いてしまった。


(さて、時間は有限。動き出さねば)


 今日から三日間ロゼッタは休みをもらっている。ゆっくり体を休めるように、とのセリーナからの配慮だ。
 しかし、隣国から持ち帰った荷物や戦利品の整理をしなければならないし、やりたいことが山ほどあるので、三日はあっという間に過ぎてしまうだろう。

 どれから手を付けよう、と考えたところで、ロゼッタがゆっくりと目を見開く。頭の中にはひとりの男性の姿がはっきりと浮かび上がっていた。


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