婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

4.ロゼッタとクロエ

 ロゼッタの朝は早い。

 まだ日が明ける前に起き出し、入念にスキンケアを行ったあと、化粧やネイル、着替えを済ませ、朝食代わりのナッツを摘む。
 それから熱々のコーヒーを淹れ、その日の新聞すべてに目を通していった。曰く、新聞や経済誌には金持ちの情報が詰まっているらしい。


(脱税で告発……か。この人とつながっていた連中は軒並み道連れね。早々に見切りをつけておいてよかったわ。こっちの業界はこれから成長が見込まれるから……関連事業をピックアップして、情報収集しておかないと)


 そうして情報を日々アップデートし、婚活に活かしているのだ。たっぷり時間をかけて準備を済ませ、私室を出る。


「ロゼッタ、昨日は帰りが遅かったのね」


 と、すぐに同僚であるクロエから声をかけられた。


「クロエ! 会いたかった! よくぞ聞いてくれましたわ!」


 ロゼッタは振り返りざまにニコリと微笑む。実のところ、昨日の出来事を誰かに話したくてウズウズしていたのだ。ロゼッタはクロエにピタリと寄り添う。


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