婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
34.フローリアの欲しいもの
ロゼッタはトゥバルトに連れられ、二階へと移動した。南側の角部屋の前に到着すると、トゥバルトが目配せをしてくる。
「フローリア、少しいいかな」
ノックをしてから、トゥバルトがそう声をかけた。すぐに「お父様?」と舌足らずな返事が聞こえてくる。ロゼッタは密かに深呼吸をした。
「お父様が隣の国に行っていたときのお土産を渡していなかっただろう?」
「お土産?」
ややして部屋の扉がゆっくり開く。現れた小さな女の子に、ロゼッタは瞳を輝かせた。
(なんて愛らしいの……!)
父親譲りの赤い髪と、雪のように真っ白な肌。大きな瞳は宝石のように輝いているし、フリルやレースがふんだんにあしらわれたドレスがとてもよく似合っている。フローリアはさながら人形のようだった。
「フローリア、少しいいかな」
ノックをしてから、トゥバルトがそう声をかけた。すぐに「お父様?」と舌足らずな返事が聞こえてくる。ロゼッタは密かに深呼吸をした。
「お父様が隣の国に行っていたときのお土産を渡していなかっただろう?」
「お土産?」
ややして部屋の扉がゆっくり開く。現れた小さな女の子に、ロゼッタは瞳を輝かせた。
(なんて愛らしいの……!)
父親譲りの赤い髪と、雪のように真っ白な肌。大きな瞳は宝石のように輝いているし、フリルやレースがふんだんにあしらわれたドレスがとてもよく似合っている。フローリアはさながら人形のようだった。