婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
36.天国から地獄
夜会会場はとある貴族の屋敷だった。
招待客は資産家の貴族や実業家たちばかりで、ホストは身分よりも金銭を重んじている人間だとひと目でわかる。豪華できらびやかなその空間は、ロゼッタにとってとても居心地がいい。ロゼッタはほうと感嘆のため息をついた。
「お気に召したようでよかったよ」
と、隣でウィルバートが微笑む。ロゼッタはほんのりと赤くなりつつ「もちろんですわ」と返事をした。
「こんな素敵な会に連れてきてくださって嬉しいです」
「素敵なロゼッタ嬢には素敵な場所がよく似合うからね。最初に誘うのはどの夜会がいいか、結構真剣に悩んだんだよ?」
「え?」
照れくさそうなウィルバートを見つめつつ、ロゼッタの胸がドキッと跳ねる。ウィルバートはいつだってスマートで、迷ったり悩んだりする様子は皆無なので、そういったことを言われるとギャップを感じてドギマギしてしまう。しかもそれがロゼッタのため、というのがたまらなく嬉しい。
(リップサービス! これはウィルバート様のリップサービスですから!)
ロゼッタは自分にそう言い聞かせつつ、会場内をぐるりと見回す。すると、何人か見知った顔を見つけた。過去に婚活対象だった男性や、公爵夫人のお茶会のメンバー、それから――
招待客は資産家の貴族や実業家たちばかりで、ホストは身分よりも金銭を重んじている人間だとひと目でわかる。豪華できらびやかなその空間は、ロゼッタにとってとても居心地がいい。ロゼッタはほうと感嘆のため息をついた。
「お気に召したようでよかったよ」
と、隣でウィルバートが微笑む。ロゼッタはほんのりと赤くなりつつ「もちろんですわ」と返事をした。
「こんな素敵な会に連れてきてくださって嬉しいです」
「素敵なロゼッタ嬢には素敵な場所がよく似合うからね。最初に誘うのはどの夜会がいいか、結構真剣に悩んだんだよ?」
「え?」
照れくさそうなウィルバートを見つめつつ、ロゼッタの胸がドキッと跳ねる。ウィルバートはいつだってスマートで、迷ったり悩んだりする様子は皆無なので、そういったことを言われるとギャップを感じてドギマギしてしまう。しかもそれがロゼッタのため、というのがたまらなく嬉しい。
(リップサービス! これはウィルバート様のリップサービスですから!)
ロゼッタは自分にそう言い聞かせつつ、会場内をぐるりと見回す。すると、何人か見知った顔を見つけた。過去に婚活対象だった男性や、公爵夫人のお茶会のメンバー、それから――