婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

48.いつまでも

 ライノアと話をした後、ロゼッタは急いでセリーナのもとに戻り、隣国へ行くことを伝えた。
 ライノアに付いていくからには、セリーナの侍女は辞めなければならない。急な退職で迷惑をかけることになるとわかっていたが、ロゼッタは揺るがなかった。


「まったく、ロゼッタらしい決断よね」


 セリーナはそう言って困ったように笑う。


「いいわ。隣国に行くことを許してあげる」

「セリーナ殿下……!」

「だけど、退職を許可したわけじゃないから」

「え?」


 きょとんと目を丸くするロゼッタの肩を、セリーナはポンと叩いた。


「あなたの籍は残しておくから、いつでも戻ってきてよね」

「セリーナ殿下……」

「それに、お兄様からも頼まれていたのよ」

「クローヴィス殿下から?」


 ロゼッタが尋ねると、セリーナは「ええ」とうなずく。


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