婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

7.綺麗事

「ライノア様はどのようにして公爵様とお知り合いになったのですか?」


 他の夫人たち同様好意的に見えるようロゼッタはふわりと微笑む。


「公爵様とは仕事でお世話になったんです」

「まあ、仕事というのは文官のですか?」

「……そうですが」


 ライノアの反応を見るふりをしながら、ロゼッタはちらりと夫人たちに目配せをする。


(皆様、どうかお気づきになって! この方はただの文官! 皆様が接してきた成功者たちとは格が違うのですわ!)

「たしか、ライノア様は王太子殿下のそば仕えをしていらっしゃるのよね?」


 と、話題を引き継いだのは公爵夫人だった。ライノアは「ええ」と短く返事をする。


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