婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
8.騎士団長トゥバルト・ドーハン
その日、ロゼッタは大層ご機嫌だった。満面の笑みに頬をうっとりと染め、目の前の男性を熱く見つめる。
(ああ、ついに出会ってしまった……! わたくしの運命の人!)
胸がトクントクンと甘く疼く。このときめきはきっと、他では味わうことができないものだ。
「どうかしたのか、ロゼッタ嬢?」
「それは……トゥヴァルト様があまりにも素敵な方だから、ついつい見惚れてしまったのです」
恥じらいながらそう言うと、トゥヴァルトはハハッと豪快に笑う。
赤茶色の短髪に金色の瞳、少し焼けた肌に、鍛え上げられたたくましい肉体――トゥバルト・ドーハンはこの国の騎士団長だ。
もちろん、それだけではロゼッタが自身のお相手として狙い定めるはずがない――なにしろ王族は自由に使えるお金が少ないと突っぱねるような女だ。騎士団長のお給金程度では当然満足できないだろう。
ここで重要なのは、トゥヴァルトが郊外に領地を持っていること。しかも、その土地から未来の燃料として大いに期待をされている鉱石や油が産出されていることだ。つまり、彼は超がいくつもつくほどの大金持ちだった。
(ああ、ついに出会ってしまった……! わたくしの運命の人!)
胸がトクントクンと甘く疼く。このときめきはきっと、他では味わうことができないものだ。
「どうかしたのか、ロゼッタ嬢?」
「それは……トゥヴァルト様があまりにも素敵な方だから、ついつい見惚れてしまったのです」
恥じらいながらそう言うと、トゥヴァルトはハハッと豪快に笑う。
赤茶色の短髪に金色の瞳、少し焼けた肌に、鍛え上げられたたくましい肉体――トゥバルト・ドーハンはこの国の騎士団長だ。
もちろん、それだけではロゼッタが自身のお相手として狙い定めるはずがない――なにしろ王族は自由に使えるお金が少ないと突っぱねるような女だ。騎士団長のお給金程度では当然満足できないだろう。
ここで重要なのは、トゥヴァルトが郊外に領地を持っていること。しかも、その土地から未来の燃料として大いに期待をされている鉱石や油が産出されていることだ。つまり、彼は超がいくつもつくほどの大金持ちだった。