婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

13.クローヴィスとの食事会①

 翌日の夜、早速ロゼッタとクローヴィスの食事会がセッティングされた。


「ごきげんよう、ロゼッタ嬢」


 クローヴィスはそう言ってロゼッタの手の甲に恭しく口付ける。どちらも美形なため、この上なく絵になる……のだが、ロゼッタは複雑な心境だ。


(相変わらずグイグイいらっしゃいますのね)


 ロゼッタは押すのは好きでも押されるのは好きじゃない。むしろ苦手だ。クローヴィスの侍女たちが羨ましそうにロゼッタを見つめているが、できれば代わってほしいと思うほどである。

 と、セリーナがロゼッタに目配せをし、口パクで『そんな顔をしないの』と訴えてきた。


(そうよ。これは打倒ウィルバート様の練習の場でもあるのだから)


 しっかりと有効活用しなければならない。
 気を取り直し、ロゼッタはクローヴィスに微笑みかけた。


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