Semisweet.
Episode1
何を言っているんだ、この男は。
今その言葉を発するにも発せなくて、驚いた間抜けな声で瑞野を見ている事しか出来なかった。
副支配人ですら驚いた表情をしていてこの場の状況を理解出来ているのはこの男しか居ない。
「ずっと隠していてすみません。彼女が社内恋愛だと言うのは秘密にしてほしいと言うので、結婚ぎりぎりまで報告は控えておりました。ですが、僕達も交際して長いので…、ね。」
ね、とこちらに向けてくる笑顔の中には小さいけど強めの圧を感じた。
私はその圧に負けて無言で頷く事しか出来ない。
「そっか、まさか2人が。仲良いなとは思っていたけど。」
仲はいいですけど交際なんてしてません!
確かに婚約破棄されました~!なんて惨めで恥ずかしい事言いたくも無かったけど、だからってこんなやり方って…、瑞野に何の得も無い。
瑞野は隣で素晴らしい笑みを続けるだけで、この男の真意が全くもって分からない。
「また籍入れる日決まったら教えてくれ。」
「はい。菜穂、行くぞ。」
「…は!?」
菜穂なんて呼んだこと無いくせに。
今その言葉を発するにも発せなくて、驚いた間抜けな声で瑞野を見ている事しか出来なかった。
副支配人ですら驚いた表情をしていてこの場の状況を理解出来ているのはこの男しか居ない。
「ずっと隠していてすみません。彼女が社内恋愛だと言うのは秘密にしてほしいと言うので、結婚ぎりぎりまで報告は控えておりました。ですが、僕達も交際して長いので…、ね。」
ね、とこちらに向けてくる笑顔の中には小さいけど強めの圧を感じた。
私はその圧に負けて無言で頷く事しか出来ない。
「そっか、まさか2人が。仲良いなとは思っていたけど。」
仲はいいですけど交際なんてしてません!
確かに婚約破棄されました~!なんて惨めで恥ずかしい事言いたくも無かったけど、だからってこんなやり方って…、瑞野に何の得も無い。
瑞野は隣で素晴らしい笑みを続けるだけで、この男の真意が全くもって分からない。
「また籍入れる日決まったら教えてくれ。」
「はい。菜穂、行くぞ。」
「…は!?」
菜穂なんて呼んだこと無いくせに。