幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
再会した幼なじみの素顔
彼の名前は羽場美鶴くん。
私の一つ年上でお隣に住んでいた幼なじみだ。
「すごく久しぶりだね! こっちに帰ってきたの?」
「ちょっとこっちに来る用事があって……。懐かしくなって色々街を見てたんだけど、望凪ちゃんに会えると思ってなかったよ」
「私の方こそ!」
美鶴くんは私が中学三年の時に家庭の事情で引っ越してしまった。
それ以来会っていなかったから久々の再会となる。
「僕だと気づいてくれてありがとう」
「わかるよ! だって美鶴くん全然変わってないもん」
「あはは……。望凪ちゃんはすごく綺麗になったね」
「え〜、やめてよもう」
ノートPCを閉じ、美鶴くんとの会話を優先することにした。
締切も大事だけどせっかく会えたんだもの、少しくらいいいよね。
「美鶴くんは今何してるの?」
「SNSマーケティングの会社で働いてる」
「えっ、すごいね」
「そんなことないよ。望凪ちゃんは?」
「私はオウルカフェの副店長やってます」
「望凪ちゃんこそすごいじゃない」
「いやぁ、雇われだけどね」
「どこの店舗?」
「都内の○○オフィスタワー店なんだけど」
「……僕の会社が入ってるところだ」
「えっ、うそぉ!?」
こんな偶然があるとは思っていなかった。
ていうか美鶴くん、あのオフィスビルに勤めているなんてエリートなんじゃない?
昔から頭良かったもんね、流石だなぁ。