幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜

幼なじみからの告白



「美鶴くん!」
「望凪ちゃん」
「ごめんね、遅くなっちゃった」
「ううん、大丈夫。行こうか」
「うん」


 私は今夜、美鶴くんとディナーの約束をしていた。
 会うのはあれ以来で、ようやく仕事が落ち着いたからと誘ってくれたのだ。

 仕事終わりなので美鶴くんはスーツだった。
 改めて彼の横顔を見て、あまりにもイケメンでドキドキしてしまう。

 美鶴くんなのに美鶴くんじゃないみたいで緊張してしまう。


「美鶴くん、すごく変わったね。全然わからなかった」
「これは、多少は身なりを気にしろって言われて……でも休みの日はあんな感じだよ」
「そうなんだ」


 それにしても美鶴くん、ずっと私に気づいていたってことだよね?
 どうして名乗り出てくれなかったのだろう。
 美鶴くんには聞きたいことがたくさんある。


「予約していた鏑木です」
「鏑木様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


 苗字が羽場じゃなくて、鏑木になっていることもそうだ。

 美鶴くんが予約してくれたのはカジュアルな雰囲気のエスニック料理のレストランだった。


「望凪ちゃん、エスニック好きだったよね」
「覚えててくれたの?」
「まあね」


 昔のことなのに今でも覚えていてくれたなんて、嬉しいな。
 大人になったしせっかくだから軽く飲もうということになり、白ワインを注文することにした。


「乾杯」


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