隠れ溺愛婚~投資ファンドの冷徹CEOは初恋の妻を守りつくす~
試される絆
広い和室の客間に通された茉結莉は、隣に正座する三砂の横顔を見上げる。
あの後、一旦会社に戻った茉結莉たちは、叔父の浩二から話を聞いた。
借金を抱えていた浩二は、自分の株だけなら売っても経営に問題はないだろうと安易に考え、MMファンドの話に乗ったそうだ。
「まさか、園子にも声をかけていたなんて……」
浩二はそう言って顔を青ざめさせていたが、茉結莉たちは正直呆れるしかなかった。
「MMファンドは、ミサゴをライバルと公言している。今までにも横やりをさされて、買収計画が白紙になったことはあったが、まさかここにも手を出してくるとはな……」
浩二の話を聞いた三砂は、拳を握り締めると、怒りを抑えるように大きく息を吐く。
「とにかく、すぐに動いた方がいいな」
しばらくして響く三砂の声にぐっとうなずくと、茉結莉は叔母である園子の家へと向かったのだ。
静かな和室でじっと待っていた茉結莉は、しばらくして、擦るような足音を聞いて顔を上げる。
すると音もなく障子が開き、上品なたたずまいの叔母の園子が現れた。
園子はチラッと茉結莉と三砂に厳しい視線を向けると、何も言わずに正面に座る。
あの後、一旦会社に戻った茉結莉たちは、叔父の浩二から話を聞いた。
借金を抱えていた浩二は、自分の株だけなら売っても経営に問題はないだろうと安易に考え、MMファンドの話に乗ったそうだ。
「まさか、園子にも声をかけていたなんて……」
浩二はそう言って顔を青ざめさせていたが、茉結莉たちは正直呆れるしかなかった。
「MMファンドは、ミサゴをライバルと公言している。今までにも横やりをさされて、買収計画が白紙になったことはあったが、まさかここにも手を出してくるとはな……」
浩二の話を聞いた三砂は、拳を握り締めると、怒りを抑えるように大きく息を吐く。
「とにかく、すぐに動いた方がいいな」
しばらくして響く三砂の声にぐっとうなずくと、茉結莉は叔母である園子の家へと向かったのだ。
静かな和室でじっと待っていた茉結莉は、しばらくして、擦るような足音を聞いて顔を上げる。
すると音もなく障子が開き、上品なたたずまいの叔母の園子が現れた。
園子はチラッと茉結莉と三砂に厳しい視線を向けると、何も言わずに正面に座る。