その病院は危険です…!〜ヒロインは最後は勝つ〜
第三章

入院

鏡張りの、割と綺麗な病院だった。316号室。個人部屋が、私に与えられた。決まってはいるが、タバコも吸える、広々とした屋根付きのコートもあった。
その日の夕方、初めてタバコを吸いに出かけた。
複数人おり、仲が良いようだ。
和に入らないで、一人でタバコを吸っては吐いた。
しかし、病院の売店がいつ開くか、気になった私は、近くにいた、タトゥーが腕を覆い尽くしている後ろ姿に声をかけた。
「あの、すみません。」
振り返った顔は、昔好きだった某俳優とそっくりの細身だが、均等な筋肉のついた男性だった。
「新しく入りましたか?何かありましたか?」
「私、新しく入ってきた、小町と申します。あの、売店って、いつ空いてますか?」
「僕、太陽です。明日は空いてますよ。」
騒ぎ始めた胸を抑え、何て素敵な容姿なんだろう、と感激した。
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