【書籍化決定】身体だけの関係だったはずの騎士団長に、こっそり産んだ双子ごと愛されています
新しい生活
子供たちはすっかり祖父母に懐いたようで、体力の続く限り「あそぼ!」攻撃を繰り返している。
さすがに大変だろうと止めに入ろうとしたものの、伯爵夫妻は孫と過ごす時間がこんなに楽しいものだとは知らなかったと嬉しそうにしているので、問題はないようだ。
「パーヴェルは剣術に興味がありそうだな。無理のない範囲で、木剣から始めるのもいいかもしれないなぁ」
夕食後の団欒の時間、そんな話題になる。騎士団の先代副長をしていたリガロフ伯爵は、今も多数の剣を所持している。それにパーヴェルが興味を示したため、騎士としての将来性を見出したらしい。
「まぁ、そんなこと言ったらアーラはドレスに興味津々よ。小さくても女の子よねぇ。可愛いドレスをたくさん仕立てるつもりなの。お買い物に行く約束もしたんだから。ライザさんも一緒に行きましょうね。娘や孫とお出かけなんて、夢みたいよ」
負けじと夫人も身を乗り出し、二人は孫とどう過ごすかを競うように話し始めた。ライザの隣でそれを聞いていたイグナートが、小さく笑う。
「二人とも、あっという間に祖父母の顔になったな」
「可愛がっていただいて、嬉しいわ」
ちゃっかり膝の上に座って絵本を読んでもらっている双子を見つめながら、ライザもうなずいた。子供たちにとって、安心して心を許せる相手が増えるのはいいことだ。
あたたかく迎えてくれた義両親のおかげで、ライザたちは新しい生活にあっという間になじんだ。屋敷内には双子の笑い声が常に響いており、使用人らも子供たちを微笑ましく見守ってくれている。
ライザも、今までの忙しい日々が嘘のような落ち着いた時間を過ごせることに少しホッとしていた。隣人の助けは借りていたものの、これまでは子供を守れるのは自分だけだと肩の力が入っていたのだろう。
もちろんイグナートも双子を可愛がっており、最近は「おとーしゃんと、ねんねする!」と言ってライザと一緒に寝てくれないこともあるくらいだ。広いベッドで手足を伸ばして眠れるのは嬉しいのだが、いつもそばにあったぬくもりがなくなると、少し寂しい。
イグナートはすぐにでも結婚の届けを出したいと希望していたが、やはりライザの生家であるアントノーヴァ伯爵家とも一度は話しあいの場を設けるつもりだ。近いうちに、イグナートと一緒に実家を訪ねようと話している。
さすがに大変だろうと止めに入ろうとしたものの、伯爵夫妻は孫と過ごす時間がこんなに楽しいものだとは知らなかったと嬉しそうにしているので、問題はないようだ。
「パーヴェルは剣術に興味がありそうだな。無理のない範囲で、木剣から始めるのもいいかもしれないなぁ」
夕食後の団欒の時間、そんな話題になる。騎士団の先代副長をしていたリガロフ伯爵は、今も多数の剣を所持している。それにパーヴェルが興味を示したため、騎士としての将来性を見出したらしい。
「まぁ、そんなこと言ったらアーラはドレスに興味津々よ。小さくても女の子よねぇ。可愛いドレスをたくさん仕立てるつもりなの。お買い物に行く約束もしたんだから。ライザさんも一緒に行きましょうね。娘や孫とお出かけなんて、夢みたいよ」
負けじと夫人も身を乗り出し、二人は孫とどう過ごすかを競うように話し始めた。ライザの隣でそれを聞いていたイグナートが、小さく笑う。
「二人とも、あっという間に祖父母の顔になったな」
「可愛がっていただいて、嬉しいわ」
ちゃっかり膝の上に座って絵本を読んでもらっている双子を見つめながら、ライザもうなずいた。子供たちにとって、安心して心を許せる相手が増えるのはいいことだ。
あたたかく迎えてくれた義両親のおかげで、ライザたちは新しい生活にあっという間になじんだ。屋敷内には双子の笑い声が常に響いており、使用人らも子供たちを微笑ましく見守ってくれている。
ライザも、今までの忙しい日々が嘘のような落ち着いた時間を過ごせることに少しホッとしていた。隣人の助けは借りていたものの、これまでは子供を守れるのは自分だけだと肩の力が入っていたのだろう。
もちろんイグナートも双子を可愛がっており、最近は「おとーしゃんと、ねんねする!」と言ってライザと一緒に寝てくれないこともあるくらいだ。広いベッドで手足を伸ばして眠れるのは嬉しいのだが、いつもそばにあったぬくもりがなくなると、少し寂しい。
イグナートはすぐにでも結婚の届けを出したいと希望していたが、やはりライザの生家であるアントノーヴァ伯爵家とも一度は話しあいの場を設けるつもりだ。近いうちに、イグナートと一緒に実家を訪ねようと話している。