天才弁護士の溺愛ミステリー♡

18 勝利のキス

「実は…
本当は1/30にオープンだったのに、発注ミスで記念品のハンカチの日付が1/31になってしまっていたんです。
オーナーのミスだったので、従業員には1/31オープンだったと口裏を合わせるように言われました。
そして、1/30に1/31と書かれたハンカチを配ったんです。」

「なるほど…
発注ミスだった訳ですね?

となると?
あれれ?
1/31の一ノ瀬さんのアリバイが崩れましたね?」

証人の上田咲さんが下がった後、先生はさらに続けた。

「さて、近年は科学の発達により、かなり便利になりました。」

「弁論が的外れです!」

検察官が言う。

「認めます。
弁護人は事件と関連づけて話してください。」

「失礼しました。
つまり、街にあるカメラは防犯カメラだけではなく、車に取り付けられたドライブレコーダーもその機能を果たしている、と言う事です。
私は必死にあの時間、青山の裏路地の廃ビルの前を通った車を探しました。
すると、一台の車のドライブレコーダーに、一ノ瀬佳穂さん、あなたの姿が映っていたのです!
時刻は11時25分!
犯行時間の5分前です!」

先生は傍聴席に来ていた一ノ瀬佳穂さんに向かってそう言った。

こうして、この悲しい事件は幕を閉じた。

佐伯友子さんは大学に復学すると言って笑顔を見せていた。

♦︎♦︎♦︎

数日後…

車の中で、私は迫られていた。

「あっ、何ですか、その手は!
キスするって言ったじゃ無いですか!」

「いや…それは…」 

「嘘つきはダメ弁護士の始まりですよー?」

「何ですかっ、その例えは!」

「綾乃、僕が嫌いなんですか…?」

「い、いや、そんな事…」

「じゃあ、キスしましょう?」

「で、でも…」

その時、私は宇賀神先生に抱き寄せられた。
宇賀神先生がわずかに顔を傾けて私の唇を攫っていく。
唇に柔らかな感触があった。

「せ、先生…っ!」

「もっと…
綾乃…」

先生は軽いキスを繰り返すと、自身の唇で私の唇をこじ開けた。
隙間から舌をにゃるりと差し込んでくる。

「ふぁっ…」

ディープなキスを繰り出され、私は目の前が真っ白になる。

先生の甘い舌は私の舌を絡め取り、弄ぶ。

「んっ…ふぅ…!」

は、激し…

先生は私の口内を貪るように舐めた。

先生が私の唇から舌を抜くと、銀色のよだれが糸を引いた。
先生はそれをも舐めとると、満足気な笑顔で私の唇を指でなぞった。

「エロ魔人…」

「僕がエロくなるのは、あなたにだけですよ。」

「おまけに嘘つき…」

「バレましたか…笑」

そして、その日も終わったのだった。
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