天才弁護士の溺愛ミステリー♡
第3章 豪華客船の宝石泥棒

19 お預けです

私と宇賀神先生は豪華客船に乗っていた。

私の25歳のバースデーをお祝いする為である。
もちろん、料金はすべて宇賀神先生が出した。

私たちは豪華な部屋で、甘い夜を過ごすはずだった。
まぁ、宇賀神先生の予定では、だけど。

だけど、事件は起きた。

「どうしたんですか!?」

私が部屋を出て隣の部屋の奥様に話しかけると彼女は言った。

「私のオパールのネックレスが盗まれたんですわ!!!」

豪華客船の宝石泥棒だ!

そうして、甘い夜そっちのけで捜査が始まった。

この船が日本海を航海して、また東京湾に戻るのは2日後だった。
それまでに犯人を見つけないと、証拠が陸に持ち込まれ、捜査不可能になるだろう。

「まず、事件を整理しましょう。」

私は室内をウロウロと歩きながら言った。

「今日は綾乃の誕生日なんですよっ!
素敵な夜を過ごそうって約束したじゃないですか!」

宇賀神先生はかなり不機嫌だ。
しかし、事件が起こってしまったものは仕方ないじゃないか?

「それよりも、私たちは職務をまっとうしなければ!」

「嫌ですよ!
僕と甘い夜を過ごしましょう?」

「お預けです!」

「そんなぁぁぁあ!?」

「ほら、まだ、後2日あるんですから。
事件が早く解決したら、ね?」

私は甘い言葉を囁く。

「小悪魔っ!」

宇賀神先生はベッドの枕を私に投げつけた。

「さて、では事件を整理します。」

「はいはい、聞けばいいんでしょ。」

「まず…
この船の客室は全てオートロックです。
他社の侵入は不可能にも思えますが、レストランで食事中に盗難はおきました。
犯人は斧でドアのオートロック部分を破壊し、中に入ったものと考えられます。
そして、宝石箱の中にあったネックレスを盗んだ。
幸い?というか金目のものはネックレスしか置いていなかったそうです。」

「ふぅん…?
でぇ?

僕たちが探偵の真似事をして、犯人を探すわけですかぁ?」

「その通りです!」

「ふん、犯人はかなり計画的です。
もう、既に盗んだ宝石は見つからない所に隠してあるでしょうし、プライバシーの問題もありますから捜索する事も出来ません。
つまり、無理ですね。」

宇賀神先生は超やる気無さそうにそう言った。

「先生っ!?
なんでそんなにやる気無いんですか!?
事件なんですよ!?」

「あなたはなぜ誕生日なのに、そんなにやる気なんですか!!!」

「えぇい!
誕生日なんてね!
また、来年も来るんですよ!
嬉しくもなんともありませんよ!」

私は言う。

「はぁぁぁあ…
分かりましたよ。
でも、この豪華客船には200人乗っているんですよ?
どうやって犯人を探すんです?」

宇賀神先生。
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