天才弁護士の溺愛ミステリー♡

2 面会

被疑者・斉藤洋子さんは、かなり憔悴しているようにも見えた。

「こんにちは。
初めまして。
あなたの弁護人の宇賀神玲と申します。」

「あのっ、先生!?
私は一体どうなるのでしょうか!?」

彼女は切羽詰まった様子でそう尋ねた。

「綾乃ちゃん?
説明して差し上げて下さい。」

先生は言う。

「はい。
今回の件は殺人事件です。
殺人罪とは、故意に人の生命を侵害する犯罪のことで、刑法第199条により、【人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。】と規定されています。」

「し、し、死刑!?
そんな…」

項垂れる洋子さん。

「安心してください。
そうならない為に僕たちが居るのですから。」

先生は人当たりの良さそうな笑顔でそう言った。

「お願いします!
報酬はおいくらでもお支払いしますから!
私を助けてください!」

「その前に…
確認しますが、あなたは本当に殺していないのですか?
もし、殺害していたとしたら、情状酌量や精神鑑定で争う事も出来ますが…?」

「私は殺していませんわ!
本当です!
信じてください!」

「分かりました。
完全無罪を主張すると言う事ですね。」

「もちろんです!」

「しかし、凶器にはあなたの指紋のみが付いていた。
これをどう説明するか…」

「で、でも、私はやっていませんもの!
きっと、誰かがハメたんですわ!」

「ふぅむ…
分かりました。
最善は尽くすとお約束します。」

先生は言い、その日の面会は終わった。

「どういう方向で戦いますか?先生?」

「さぁねぇ。
殺していないとなると…
探偵ごっこでもやるしか無さそうですねぇ。」

先生は色素の薄いストレートの髪をかき上げながら、だるそうにそう言った。
この色気は必要なのか…?

先生の元には、美女からの依頼も少なくなく、かと言って先生は美女ならば何でも受ける訳では無かった。

変な人…

それが私の宇賀神先生への評価である。

「さてと、どこかの喫茶店で美味しいコーヒーでも飲んで帰りますか。」

宇賀神先生は言う。
彼は大のコーヒー好きなのだ。

「先生!
まだ、事件現場の視察が終わってないじゃ無いですか!?」

「事件現場は足が生えて逃げ回ったりしませんよ。」

先生は面倒くさ気にそう言って喫茶店へ歩いていく。

私は仕方なく先生について行った。

「はぁ…
美人で巨乳って少ないんですね…
おっ、あの子はCカップ♪」

宇賀神先生は周りをさりげなく見回しながら、カップ当てゲームをしている。

な、な、何なの!
このエロ男は!?

「あのぉ、先生?
お楽しみの所ですが、何故、斉藤洋子さんが逮捕までされたか、警察の情報に興味ありませんか?」

「ありませんっ!」

こ、こ、このヤローーーー!怒
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