winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

epilogue

「ママ、ママ起きて」



娘がボンと寝ている私の上に乗ってくる



「んー。もう少し寝かせてー」



もーママ起きなーい



娘は呆れている



パパー



娘が拓を呼びに行ったらしい…



ママ起きなーい



しょうがないねー



拓が呆れている…



「ママはパパの声じゃないと起きないんだよ」



えー何でー



音《おと》起こしてるのにー



娘が不満そうに口を尖らせる…



まったくしょうがないな…



拓が溜息混じりに呆れる声が聞こえる…
 


「愛奈、愛奈…」



拓が透き通った変わらないラブリーボイスで私を起こす



私はもう起きているのに寝たふりをした…



「起きないとキスするぞ」



えっ⁈



その言葉で私は一気に目が覚め、飛び起きた…

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