winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

嫉妬

「ただいま」



山下さんに気持ちを打ち明けられて、私は複雑な気持ちで玄関の扉を開ける…



するといつものように拓が出迎えてくれた



でも、何か怒ってる?



おかえり。と言う拓の声はいつもより素っ気なく、珍しく機嫌が悪そうだ



いつも私のズボラな醜態をもーと言いながら口煩く注意する拓だが、こんなに素っ気ない態度なのは初めてだ



「何怒ってるの?」



私はストレートに訊ねてみた



「別に…今日誰と飲んできたの?」



拓の口調はいつもより荒い…



やっぱり怒ってるじゃん



「誰って職場の人だよ。新しく入った新人くんの歓迎会で4人で飲んでた」



ただそれだけだよ



何故私が言い訳がましい事を言わなきゃいけないのだろう?



「ただの職場の人と親密そうに車の中で話すんだ」



えっ⁉︎



親密って…?



あーさっきのあれを見られてたのか



でも、例え私が誰かと親密そうに話していても、拓には関係ないはずだ



「別に親密そうに話してなんかないよ。例え私が親密そうに話してたとしても拓には関係ないじゃん」



彼氏でもないのに…



私は言葉が次々と出てきて言い過ぎてしまった
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