winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

別れ

私は一日入院し、退院する事になった…



両親の希望で、私は暫く仕事を休業して、実家に帰って療養する事になった…



私の両親から散々罵声を浴びさせられ、罵られた拓は、「愛奈、また来るね。ご両親と実家でゆっくり休んで」



そう言って悲しそうな背中を向けて帰って行った…



拓…家のお父さんがごめんね…拓のせいじゃないのに…いっぱい酷いこと言われてごめんね…

   

私が泣きながらそう謝ると、言われて当然だから、僕は大丈夫だよ 



そう言って拓は笑った

   

結局、朝になっても拓は現れない



拓はどうしているんだろう?



拓に会いたい…



退院の手続きをする時間になっても、拓は現れない…



結局私は、両親と退院の手続きをする事になった…



退院の手続きをしていると、品の良さそうなスーツ姿の男性と、同じく高級そうなスーツを着た女性が慌てて私達の元を訊ねてきた…



「すみません。鈴野愛奈さんのご両親ですか?」



慌てた様子で話しかける男性に、私はどこか見覚えがある…



どこで見たんだろう?



私は思い出せなくて首を傾げた‥



「私葉山拓人の父の葉山龍一です」



そう名乗って渡された名刺に書かれた名前に私と両親は目の色を変えて驚いた



葉山ホールディングス⁈



葉山ホールディングスとは、あの葉山ホールディングスだろうか?



日本で有数の大企業の葉山ホールディングス?



私達は目を見合わせて驚いた  



「少し、場所を変えてあちらでお話をいいですか?」



私達は病院の食堂に場所を移して話す事になった…
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