winter song 〜君に捧ぐたった一つの歌〜

困惑

「愛奈…愛奈起きて」



この声は…拓…?



まるで昔に戻ったみたい…



「んーまだ寝かせて…拓…」



私はまだ寝ぼけている…



ハーと拓が溜息をついている



「相変わらず寝起きまで悪いな…」



「起きないとキスするぞ」



えっ⁈



その言葉で私の目は一気に覚めた⁈



目を開けてもまだこの状況が飲み込めない私…



えっ⁈



「こ、ここはどこ?」



目覚めた私は軽くパニックだ     



見た事のないベッド



清潔そうなキッチン



カジュアリーでモダンな家具



どれも見たことのないものばかりだ…



私は驚きすぎて辺りを見回した



「やっと起きたか」



拓がグラスに入った水を持ってくる…



「何で私はここにいるの?」



ごめん…一緒にご飯食べて、お酒飲んでフラフラっとした所から、全然記憶がない…



私は思い出そうと頑張っても全く思い出せない胸の内を素直に打ち明けた…



「愛奈はお酒飲むと直ぐ寝ちゃうから。昨日飲みすぎてタクシーで寝ちゃった愛奈を僕がここまで連れて来たの」



安心して…何もしてないから 



そう言って拓は私に水を差し出した




 

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