社内では秘密ですけど、旦那様の溺愛が止まりません!

新しいステージへ

あのトラブルから、一か月近くが経った。
イナギホールディングスの空気はすっかり落ち着き、浅賀亮の名前は“冷静な対応力のある社員”として定着していた。地味で目立たず、淡々としていたはずの彼は以前にも増してチームリーダーとして頼られる存在へと変化しているのが目に見えてわかる。
「浅賀さん」と呼ばれる姿をよく耳にはさむようになった。それを聞くたびに私もなんだか誇らしく、そして頼もしく感じていた。

だがその裏で彼はひとつの決断を迫られていた。
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