Love Sky Travel
1 勤務初日
私の名前は水瀬鈴。
新人CAである。
4年生大学を卒業し、念願のCAになる事ができた。
だが、今日は勤務初日。
緊張と不安で一杯だ。
私はシャワーを浴びて、渡された制服に着替えた。
濃いグレーと薄いグレーに、空を表す青のラインが入った割とピシリとした制服だった。
スカーフをリボンの形に巻き着替えは終わり。
髪をきっちり目のお団子にして、アホ毛一本残さないように整えた。
うん、良い…よね?
何だかベテランCAさんに比べては気迫が足りないような気がするが、新人の頃からそんな気迫があったらビックリだろう。
私は黒のキャリーケースを持ってビシッと羽田空港に向かった。
♦︎♦︎♦︎
「水瀬さん、おはよう。」
先輩CAの桜井さんが挨拶してくれた。
「お、お、おはようございます!
きょ、今日はよろしくお願い致します!」
「あらあら?
そんなに緊張しなくてもいいのよ?
もっとリラックスして、ね?」
桜井さんはワインレッドの口紅が綺麗に塗られた唇を笑顔にして、そう言った。
「は、は、はいっ!」
「うふふ。
じゃあ、今からブリーフィングするから付いてきてね。」
桜井さんは背筋をまっすぐに歩いていく。
羽田空港のラウンジの一角のテーブル席でブリーフィングが行われた。
ブリーフィングとは、フライトに関する情報やリスクタスクを整理して、【路線の特徴】【時間や時期によるフライトの特徴】【お客様の傾向】【特別な対応が必要なお客様の確認】などを共有し、フライトをスムーズに行えるようにすり合わせを行う事だ。
これは、客室乗務員間ではじめに行い、次にパイロットとのブリーフィングが行われる。
機長と副機長が入ってきて、私が実際の飛行機内でのポジションに移動するために席を立つと、緊張のためか少しよろけてしまった。
私は機長の足を思いっきり踏んづけた!
「イッテ…!」
「すいませんっ!」
しかし、私の身体はいう事を聞かない。
私はそのままよろけて機長をソファに押し倒してしまった。
宙を舞う書類に、水の入った紙コップ…
あわわわわ…!
「仙石機長!
大丈夫ですか!?
ほら、水瀬さん、しっかりして!?」
桜井さんが顔面蒼白で私を起こしながら、機長に声をかける。
「…大丈夫だ…」
仙石機長はかなりの仏頂面でそう答えた。
やばい!
やばいよ!
私違う所に飛ばされちゃうかも!
「アンタ…
名前は…?」
仙石機長が私を睨むようにそう尋ねた。
「み、み、水瀬鈴です…
あの、本当に申し訳ありませんでした…!」
これが、仙石機長との初めての出会いだった。
新人CAである。
4年生大学を卒業し、念願のCAになる事ができた。
だが、今日は勤務初日。
緊張と不安で一杯だ。
私はシャワーを浴びて、渡された制服に着替えた。
濃いグレーと薄いグレーに、空を表す青のラインが入った割とピシリとした制服だった。
スカーフをリボンの形に巻き着替えは終わり。
髪をきっちり目のお団子にして、アホ毛一本残さないように整えた。
うん、良い…よね?
何だかベテランCAさんに比べては気迫が足りないような気がするが、新人の頃からそんな気迫があったらビックリだろう。
私は黒のキャリーケースを持ってビシッと羽田空港に向かった。
♦︎♦︎♦︎
「水瀬さん、おはよう。」
先輩CAの桜井さんが挨拶してくれた。
「お、お、おはようございます!
きょ、今日はよろしくお願い致します!」
「あらあら?
そんなに緊張しなくてもいいのよ?
もっとリラックスして、ね?」
桜井さんはワインレッドの口紅が綺麗に塗られた唇を笑顔にして、そう言った。
「は、は、はいっ!」
「うふふ。
じゃあ、今からブリーフィングするから付いてきてね。」
桜井さんは背筋をまっすぐに歩いていく。
羽田空港のラウンジの一角のテーブル席でブリーフィングが行われた。
ブリーフィングとは、フライトに関する情報やリスクタスクを整理して、【路線の特徴】【時間や時期によるフライトの特徴】【お客様の傾向】【特別な対応が必要なお客様の確認】などを共有し、フライトをスムーズに行えるようにすり合わせを行う事だ。
これは、客室乗務員間ではじめに行い、次にパイロットとのブリーフィングが行われる。
機長と副機長が入ってきて、私が実際の飛行機内でのポジションに移動するために席を立つと、緊張のためか少しよろけてしまった。
私は機長の足を思いっきり踏んづけた!
「イッテ…!」
「すいませんっ!」
しかし、私の身体はいう事を聞かない。
私はそのままよろけて機長をソファに押し倒してしまった。
宙を舞う書類に、水の入った紙コップ…
あわわわわ…!
「仙石機長!
大丈夫ですか!?
ほら、水瀬さん、しっかりして!?」
桜井さんが顔面蒼白で私を起こしながら、機長に声をかける。
「…大丈夫だ…」
仙石機長はかなりの仏頂面でそう答えた。
やばい!
やばいよ!
私違う所に飛ばされちゃうかも!
「アンタ…
名前は…?」
仙石機長が私を睨むようにそう尋ねた。
「み、み、水瀬鈴です…
あの、本当に申し訳ありませんでした…!」
これが、仙石機長との初めての出会いだった。
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