Love Sky Travel
11 揺れで…
そして、私たちは空へ旅に立つ。
「乗客205名、乗員16名、計221名の搭乗が完了しました。
ドアクローズOKです。」
チーフパーサーがそうコックピットに伝える。
飛行機のドアが静かに、ゆっくりと閉まっていく。
グランドハンドリングのスタッフから、「いってらっしゃい!」「気をつけて!」の声がかかり出発となった。
「さぁ、離陸します。
シートベルトをつけているかのチェックをお願いね。
水瀬さんはそっちから!」
桜井CAが言う。
「はい!」
そして、チェックも終わり、私たちもシートベルトを閉めて、機体は離陸した。
その後、機体も安定して、私たちは飲み物のサービスなどを始めた。
「お姉ちゃん!」
「あ、君はジュニアパイロット君ね?」
呼び止められた男の子は、まだあどけなさを残している。
「うん、そうだよ。」
「どうしたのかな?」
「このおもちゃ、使い方が分からないよ…」
彼はカメラのおもちゃを私に差し出した。
「うーんと、説明書あるかな?」
「はい、これ!」
その説明書を読み、私はその子を写真に撮ってみる。
その瞬間、ビー!と、ポラロイドカメラのように印刷された紙がカメラから出てきた。
うっわぁ、洒落てるわねぇ。
今時のおもちゃって。
「ありがとう!
お姉ちゃん!」
その男の子は嬉しそうにカメラを受け取った。
空の様子を撮影するのだそう。
「他のお客様は撮っちゃダメよー?」
「うん、分かってる!」
やっぱり子供って可愛いな。
ふふふ。
そんなほっこりした気持ちでフライトしていたものの、ドリンクを配っている時に急な強い揺れがあった。
私はドリンクのカートにぶち当たり、腕を負傷してしまった。
「水瀬さん!
大丈夫!?」
「はい、大丈夫ですから…
他のお客様の手前もありますし…」
「ちょっと休憩室に来て!」
そこで、腕を見ると、かなり腫れ上がっていた。
「これ、ヒビは入ってるわね…
ロスについたら、病院に行きましょう。」
そう桜井さんが言った時、仙石機長が現れた。
「仙石機長…!?」
「怪我したって聞いて…!」
「あらあら、私はお邪魔みたいね。
機長、操縦も忘れないでくださいよ?」
桜井さんがイタズラっぽくそう言って去っていった。
「腫れてるじゃないか…
悪い…」
「どうして、仙石機長が謝るんですか?」
「急な上昇気流を避けられなかった…
水瀬に怪我させるなんて…」
「良いんです。
乗客に怪我人はありません。
それで良いじゃないですか。」
「お前…
俺よりも機長らしいな…」
仙石機長が悔しそうに言うのが、なんだかおかしかった。
その後、便はロサンゼルスにつき、私は現地の病院に行った。
ヒビが入っているらしい。
お陰で、折り返しの便で乗客として日本に戻る事になった。
「乗客205名、乗員16名、計221名の搭乗が完了しました。
ドアクローズOKです。」
チーフパーサーがそうコックピットに伝える。
飛行機のドアが静かに、ゆっくりと閉まっていく。
グランドハンドリングのスタッフから、「いってらっしゃい!」「気をつけて!」の声がかかり出発となった。
「さぁ、離陸します。
シートベルトをつけているかのチェックをお願いね。
水瀬さんはそっちから!」
桜井CAが言う。
「はい!」
そして、チェックも終わり、私たちもシートベルトを閉めて、機体は離陸した。
その後、機体も安定して、私たちは飲み物のサービスなどを始めた。
「お姉ちゃん!」
「あ、君はジュニアパイロット君ね?」
呼び止められた男の子は、まだあどけなさを残している。
「うん、そうだよ。」
「どうしたのかな?」
「このおもちゃ、使い方が分からないよ…」
彼はカメラのおもちゃを私に差し出した。
「うーんと、説明書あるかな?」
「はい、これ!」
その説明書を読み、私はその子を写真に撮ってみる。
その瞬間、ビー!と、ポラロイドカメラのように印刷された紙がカメラから出てきた。
うっわぁ、洒落てるわねぇ。
今時のおもちゃって。
「ありがとう!
お姉ちゃん!」
その男の子は嬉しそうにカメラを受け取った。
空の様子を撮影するのだそう。
「他のお客様は撮っちゃダメよー?」
「うん、分かってる!」
やっぱり子供って可愛いな。
ふふふ。
そんなほっこりした気持ちでフライトしていたものの、ドリンクを配っている時に急な強い揺れがあった。
私はドリンクのカートにぶち当たり、腕を負傷してしまった。
「水瀬さん!
大丈夫!?」
「はい、大丈夫ですから…
他のお客様の手前もありますし…」
「ちょっと休憩室に来て!」
そこで、腕を見ると、かなり腫れ上がっていた。
「これ、ヒビは入ってるわね…
ロスについたら、病院に行きましょう。」
そう桜井さんが言った時、仙石機長が現れた。
「仙石機長…!?」
「怪我したって聞いて…!」
「あらあら、私はお邪魔みたいね。
機長、操縦も忘れないでくださいよ?」
桜井さんがイタズラっぽくそう言って去っていった。
「腫れてるじゃないか…
悪い…」
「どうして、仙石機長が謝るんですか?」
「急な上昇気流を避けられなかった…
水瀬に怪我させるなんて…」
「良いんです。
乗客に怪我人はありません。
それで良いじゃないですか。」
「お前…
俺よりも機長らしいな…」
仙石機長が悔しそうに言うのが、なんだかおかしかった。
その後、便はロサンゼルスにつき、私は現地の病院に行った。
ヒビが入っているらしい。
お陰で、折り返しの便で乗客として日本に戻る事になった。