Love Sky Travel
3 伝言は
「水瀬さん?」
「は、はぃぃぃ!」
「だから、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。
仙石機長からだけど…」
仙石機長と聞いて身体がビクッとした。
まさか、もう飛ばされる!?
「はい…
やっぱりクビですか…?」
私は涙目で尋ねた。
「いいえ。
注意する必要は無い。
頑張ってくれ、ですって。」
桜井さんは口に手を当てておかしそうにそう言った。
「へ…?」
ポカンとする私。
「よっぽど水瀬さんの事気に入ったんじゃ無いかしら?笑
あの冷たい人が頑張って、なんて初めて聞いたわよ。
まったく。」
「は、はぁ…」
しかし、気に入られるような事など何もしてないはずだが…
「まぁ、とにかくそう言うわけよ。
さっ、今からはいよいよ飛行機に搭乗よ。
気を引き締めていきましょうね?
私は本来はファーストクラス担当CAなんだけど、今回はあなたの指導係としてエコノミークラスに搭乗するわね。」
「は、はい!
よろしくお願いします!
桜井CA!」
私は頭を下げる。
そして、飛行機に搭乗した。
「まずは、機内の点検から行うわ。
あなたはそっちの棚から、不審物やお客様の忘れ物が無いかどうかチェックして。」
「はい!」
そんなこんなで無事にチェックも済み、離陸の時間になった。
チーフパーサーが離陸とシートベルト着用のアナウンスをする。
さぁ、出発だ!
機体はふわりと浮き上がり、空の旅が始まったのだ。
機体が完全に軌道に乗った頃、機長からの挨拶のアナウンスが流れてきた。
仙石機長…よね?
確か…?
『こんにちは。
本日は日本空港10便、羽田空港発ロサンゼルス行きをご利用いただき誠に有難うございます。
操縦席より機長の仙石です。
最新の気象情報により、ロサンゼルスまでの天気は晴れです。
おおむね良好な天候かと思われますが、時として予測外の揺れに遭遇する場合もございます。
なお、揺れましても飛行の安全には問題ございませんので、どうぞ、ご安心ください。
それでは、到着までごゆっくりお過ごしください。』
そして、機長は英語で、さらにもう一度繰り返した。
はぁぁ…
かっこいいなぁ…
チーフパーサーの挨拶もだけど、やっぱり機長の挨拶ってすごい!
「水瀬さん…?
水瀬さんったら!」
「あ、はい!」
「あのね、仙石機長と野島機長、それから副操縦士の山根さんにコーヒー持って行ってくれる?
こぼれない容器に入っているけど、念の為渡す時は左右窓側から渡してね。」
「は、はい…!」
いよいよ、あの機長と対面…ゴクリ…
嫌味の一つでも言われるのか?
それとも…?
緊張しつつも、コーヒーの入れ物をトレーに乗せて運んでいく。
「は、はぃぃぃ!」
「だから、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。
仙石機長からだけど…」
仙石機長と聞いて身体がビクッとした。
まさか、もう飛ばされる!?
「はい…
やっぱりクビですか…?」
私は涙目で尋ねた。
「いいえ。
注意する必要は無い。
頑張ってくれ、ですって。」
桜井さんは口に手を当てておかしそうにそう言った。
「へ…?」
ポカンとする私。
「よっぽど水瀬さんの事気に入ったんじゃ無いかしら?笑
あの冷たい人が頑張って、なんて初めて聞いたわよ。
まったく。」
「は、はぁ…」
しかし、気に入られるような事など何もしてないはずだが…
「まぁ、とにかくそう言うわけよ。
さっ、今からはいよいよ飛行機に搭乗よ。
気を引き締めていきましょうね?
私は本来はファーストクラス担当CAなんだけど、今回はあなたの指導係としてエコノミークラスに搭乗するわね。」
「は、はい!
よろしくお願いします!
桜井CA!」
私は頭を下げる。
そして、飛行機に搭乗した。
「まずは、機内の点検から行うわ。
あなたはそっちの棚から、不審物やお客様の忘れ物が無いかどうかチェックして。」
「はい!」
そんなこんなで無事にチェックも済み、離陸の時間になった。
チーフパーサーが離陸とシートベルト着用のアナウンスをする。
さぁ、出発だ!
機体はふわりと浮き上がり、空の旅が始まったのだ。
機体が完全に軌道に乗った頃、機長からの挨拶のアナウンスが流れてきた。
仙石機長…よね?
確か…?
『こんにちは。
本日は日本空港10便、羽田空港発ロサンゼルス行きをご利用いただき誠に有難うございます。
操縦席より機長の仙石です。
最新の気象情報により、ロサンゼルスまでの天気は晴れです。
おおむね良好な天候かと思われますが、時として予測外の揺れに遭遇する場合もございます。
なお、揺れましても飛行の安全には問題ございませんので、どうぞ、ご安心ください。
それでは、到着までごゆっくりお過ごしください。』
そして、機長は英語で、さらにもう一度繰り返した。
はぁぁ…
かっこいいなぁ…
チーフパーサーの挨拶もだけど、やっぱり機長の挨拶ってすごい!
「水瀬さん…?
水瀬さんったら!」
「あ、はい!」
「あのね、仙石機長と野島機長、それから副操縦士の山根さんにコーヒー持って行ってくれる?
こぼれない容器に入っているけど、念の為渡す時は左右窓側から渡してね。」
「は、はい…!」
いよいよ、あの機長と対面…ゴクリ…
嫌味の一つでも言われるのか?
それとも…?
緊張しつつも、コーヒーの入れ物をトレーに乗せて運んでいく。