魔力が消える前に、隣国の皇帝と期限付きの婚約を交わす
7.お城の掃除
ヴァルドラードは今日も雨。私は朝早く起きて身支度を整えると廊下に出た。廊下は相変わらず薄暗く冷たい風が吹いている。
「大丈夫。掃除をすれば明るくなる!」
私は大きく深呼吸をした。気合いを入れて魔力を放つと、薄黒い石畳のような床が、真っ赤な絨毯に生まれ変わった。
「わぁっ!」
思った以上だ。
「天井も!」
天井に魔力を放つと、エルバトリア城の広間にあるような豪華絢爛なシャンデリアが現れて、眩い光を照らし出した。
「やっぱり明るくなるんだ!」
もう怖いなんて思わない。この調子でどんどん掃除しよう。壁に向かって魔力を放とうとすると──
「……っ!」
突然眩暈がして床に膝をついた。呼吸が苦しく足に力が入らない。
「なにこれ……こんなに魔力を消耗するの……?」
まだ床と天井しか掃除していない。これでは一生終わらない。
「お母様くらい魔力があったらな……」
掃除で使う浄化の魔力は母が得意な魔力だ。母だったら、こんなに簡単に魔力を消耗することもないだろう。私は仕方なくその場に座り込んで魔力の回復を待つことにした。
「大丈夫。掃除をすれば明るくなる!」
私は大きく深呼吸をした。気合いを入れて魔力を放つと、薄黒い石畳のような床が、真っ赤な絨毯に生まれ変わった。
「わぁっ!」
思った以上だ。
「天井も!」
天井に魔力を放つと、エルバトリア城の広間にあるような豪華絢爛なシャンデリアが現れて、眩い光を照らし出した。
「やっぱり明るくなるんだ!」
もう怖いなんて思わない。この調子でどんどん掃除しよう。壁に向かって魔力を放とうとすると──
「……っ!」
突然眩暈がして床に膝をついた。呼吸が苦しく足に力が入らない。
「なにこれ……こんなに魔力を消耗するの……?」
まだ床と天井しか掃除していない。これでは一生終わらない。
「お母様くらい魔力があったらな……」
掃除で使う浄化の魔力は母が得意な魔力だ。母だったら、こんなに簡単に魔力を消耗することもないだろう。私は仕方なくその場に座り込んで魔力の回復を待つことにした。