魔力が消える前に、隣国の皇帝と期限付きの婚約を交わす
8.両親からの手紙
「魔力の本をください。」
書庫に向かって唱えると、魔力の本が数冊飛んできてテーブルの上に積み上げられた。これだけたくさんの本があるのだから「結婚しなくても魔力を維持できる方法」もあるかもしれない。私は1冊ずつ手に取ってパラパラとめくった。
「そう簡単には見つからないよね……新しい魔力でも習得してみようかな……」
今まではステファン様のために魔力を習得してきたけれど、今は自分自身のために魔力を習得してもいい。
「私が習得できそうな魔力の本をください。」
唱えると本棚のずっと奥の方から分厚くて古い本がゆったりとこちらへ向かってきた。テーブルに置かれると、ぼわっと埃が舞った。
「古い魔力は難しいと思うんだけど……私にできるのかな……」
手を伸ばすと勝手に表紙が開かれた。
「!?」
開かれたページを覗き込むと光が放たれて、何も書かれていなかったページに次々と文字が浮かび上がっていく。
「すごい!魔力がかかってるのね!」
私は興味津々で開かれたページを覗き込んだ。
「ヴァルドラードは精霊の女神オルフィスが創りし精霊の国。ヴァルドラードにおいて精霊とは……この本はヴァルドラードの歴史書?魔力の本を頼んだんだけど……」
私の言葉を遮るように歴史書のページがめくれた。ヴァルドラードには国を支える大切な泉が存在する。精霊はその泉の水を魔力で浄化し、泉を守る存在──
「精霊のルシアも泉を浄化しているっていうことよね。森に住む魔獣の種類は数多く……って、魔獣もいるんだ……!」
精霊と魔獣が住む森なんてすごく神秘的だ。
「だから陛下は森に結界を張ってるのね。」
森には魔獣や精霊がいて、国を支える聖なる泉があるから結界を張って守っているのだろう。私は歴史書を食い入るように読み進めた。
書庫に向かって唱えると、魔力の本が数冊飛んできてテーブルの上に積み上げられた。これだけたくさんの本があるのだから「結婚しなくても魔力を維持できる方法」もあるかもしれない。私は1冊ずつ手に取ってパラパラとめくった。
「そう簡単には見つからないよね……新しい魔力でも習得してみようかな……」
今まではステファン様のために魔力を習得してきたけれど、今は自分自身のために魔力を習得してもいい。
「私が習得できそうな魔力の本をください。」
唱えると本棚のずっと奥の方から分厚くて古い本がゆったりとこちらへ向かってきた。テーブルに置かれると、ぼわっと埃が舞った。
「古い魔力は難しいと思うんだけど……私にできるのかな……」
手を伸ばすと勝手に表紙が開かれた。
「!?」
開かれたページを覗き込むと光が放たれて、何も書かれていなかったページに次々と文字が浮かび上がっていく。
「すごい!魔力がかかってるのね!」
私は興味津々で開かれたページを覗き込んだ。
「ヴァルドラードは精霊の女神オルフィスが創りし精霊の国。ヴァルドラードにおいて精霊とは……この本はヴァルドラードの歴史書?魔力の本を頼んだんだけど……」
私の言葉を遮るように歴史書のページがめくれた。ヴァルドラードには国を支える大切な泉が存在する。精霊はその泉の水を魔力で浄化し、泉を守る存在──
「精霊のルシアも泉を浄化しているっていうことよね。森に住む魔獣の種類は数多く……って、魔獣もいるんだ……!」
精霊と魔獣が住む森なんてすごく神秘的だ。
「だから陛下は森に結界を張ってるのね。」
森には魔獣や精霊がいて、国を支える聖なる泉があるから結界を張って守っているのだろう。私は歴史書を食い入るように読み進めた。