魔力が消える前に、隣国の皇帝と期限付きの婚約を交わす
12.花の冠
「セレーヌ、いらっしゃったわよ。」
顔を上げると、ランスロットさんと父の姿が見えた。
「お待たせして申し訳ございません。おや、それは?」
「ランスロットさんにお土産です。」
私はランスロットさんの頭に花の冠を乗せた。
「そちらは?」
「こっちは、陛下へのお土産です。」
「陛下はあまり花が好きではないので、私がもらっておきます。」
「2つもいりますか?」
「では、これはセレーヌ様に。」
ランスロットさんは、私の頭に花の冠を乗せてくれた。
「ふふふ、ありがとうございます。」
「セレーヌ様、もう少し滞在されますか?」
「エルバトリアにですか?」
「はい。久しぶりにご両親と会ったのですから、お別れするのが寂しいかと思いまして。」
「寂しいですけど、また来ればいいですから。帰りましょう、ランスロットさん。」
ランスロットさんはにっこり笑って手を差し伸べてくれた。私はランスロットさんの手を取った。
「……っ!」
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ……手が汚れていたのを忘れていて……」
「魔力を使わずに作業していたのですね。」
「使わないでって言ったのはランスロットさんじゃないですか。」
「そうでした。」
するとふわりと魔力に包まれて、手も服もあっという間に綺麗になった。
「なんの魔力かは教えません。行きましょう、セレーヌ様。」
「はい……」
「セレーヌ、がんばるのよ?エルバトリアのことも、殿下のことも考えなくていいからね?」
「ありがとう、お母様。」
「皇帝陛下のもとでお前の力を十分に発揮しなさい。」
「お父様もありがとう。」
両親はランスロットさんに深々と頭を下げている。私は両親に別れを告げて、私はランスロットさんと歩き出した。
「ランスロットさん、陛下と何を話していたのですか?」
「もう二度とヴァルドラードを攻撃しないようにと釘を刺してきました。」
「それだけですか?」
「何か伝えて欲しいことがありましたか?」
「いえ。」
ランスロットさんはさも当たり前のように魔力で馬車を作った。馬車へ乗り込むと、勝手に扉が閉じて空へ舞い上がった。
顔を上げると、ランスロットさんと父の姿が見えた。
「お待たせして申し訳ございません。おや、それは?」
「ランスロットさんにお土産です。」
私はランスロットさんの頭に花の冠を乗せた。
「そちらは?」
「こっちは、陛下へのお土産です。」
「陛下はあまり花が好きではないので、私がもらっておきます。」
「2つもいりますか?」
「では、これはセレーヌ様に。」
ランスロットさんは、私の頭に花の冠を乗せてくれた。
「ふふふ、ありがとうございます。」
「セレーヌ様、もう少し滞在されますか?」
「エルバトリアにですか?」
「はい。久しぶりにご両親と会ったのですから、お別れするのが寂しいかと思いまして。」
「寂しいですけど、また来ればいいですから。帰りましょう、ランスロットさん。」
ランスロットさんはにっこり笑って手を差し伸べてくれた。私はランスロットさんの手を取った。
「……っ!」
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ……手が汚れていたのを忘れていて……」
「魔力を使わずに作業していたのですね。」
「使わないでって言ったのはランスロットさんじゃないですか。」
「そうでした。」
するとふわりと魔力に包まれて、手も服もあっという間に綺麗になった。
「なんの魔力かは教えません。行きましょう、セレーヌ様。」
「はい……」
「セレーヌ、がんばるのよ?エルバトリアのことも、殿下のことも考えなくていいからね?」
「ありがとう、お母様。」
「皇帝陛下のもとでお前の力を十分に発揮しなさい。」
「お父様もありがとう。」
両親はランスロットさんに深々と頭を下げている。私は両親に別れを告げて、私はランスロットさんと歩き出した。
「ランスロットさん、陛下と何を話していたのですか?」
「もう二度とヴァルドラードを攻撃しないようにと釘を刺してきました。」
「それだけですか?」
「何か伝えて欲しいことがありましたか?」
「いえ。」
ランスロットさんはさも当たり前のように魔力で馬車を作った。馬車へ乗り込むと、勝手に扉が閉じて空へ舞い上がった。