妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

11.キルステンの熱

何を言ったら良いのか分からない。私がエリナである事を明かしても彼を困らせるだけ。聖女アルマの企みも確たる証拠がないのに、彼に話しても心配を掛ける。私は深呼吸して、決意を語る事にした。

「私、キルステンと離婚します」
「なんだと?」

彼にとって待ち侘びた一言を言ったはずなのに、キルステンの顔は険しいまま。

「私たちは一度も床を共にしていないし、白い結婚です。キルステンが心配しなくても、あっさり離婚できます」
「白い結婚?」

キルステンの機嫌はより悪くなった。私は事実を述べて、彼の心を軽くしたいだけ。

「私は大丈夫です。十二年間お世話になりました」
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