妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

14.憧れの国と花屋デビュー

フェリクスは静かに頷くと私の手を引き、閉店した酒場の中に入って行く。無言で関係者以外立ち入り禁止のお店の奥の方に侵入し、床下の扉を開けるとそこには階段があった。

「地下? 秘密基地みたい」
目を輝かせる私の口元にフェリクスが人差し指を当てて来る。

「酒場を隠れ蓑にしていたけれど、ここは情報ギルド」

私はフェリクスが他国の裏組織にまで通じていたことに驚きを隠せない。
何を言って良いか分からなくて、口をパクパクさせているとフェリクスが少し笑って説明してくれた。

「エリナの話はギルド長のジャスパーさんには通してある」
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