妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

29.彼女が残した言葉(キルステン視点)

「待ってください。キルステン皇太子殿下!」
「なんだ? 猫になる呪いを解く方法でも見つけてきたら、無罪放免にしてやっても良いぞ」
そんな方法ある訳ない。
散々探したが見つからなかった。アルマに何度となく尋ねたが、交わされてきた。

「キルステン皇太子殿下⋯⋯父親が危篤だというのに平然としておられる。優し過ぎる甘ちゃん皇太子だなんて甘く見ておりました」
拘束された状態で不敬な言葉を吐くグロスター公爵は本当に何か知ってるのかもしれない。
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