妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

35.僕を信じて

「アルマ、ビルゲッタには近づかないという約束を破ったな」
「ふふっ、キルステン皇太子殿下⋯⋯。余程、この男が憎いのですね」

(キルステンが切ったの?)
私を左手で抱き、右手には血の滴る剣を握るキルステン。
後ろのから近衛騎士たちが続々と部屋に入ってくる。

ふとアルマを見ると、どんどん傷口が塞がっているのが分かった。
「にゃー!(キルステン逃げて!)」
騎士たちがどんなに束になっても、こんな何でもできるような化け物に敵う訳ない。

「ビルゲッタ目を閉じてろ」
「ぎゃー!」
再び叫びが聞こえて目を開けると、フェリクスの姿をしたアルマが騎士たちに串刺しにされていた。
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