妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

3.朝チュン

頭がまだふわふわしている。 うっすらと目を開けると、美しい美青年の寝顔があった。 長い黒いまつ毛がに艶やかな黒髪。 夜着にロイヤルパープルのガウンを羽織った無防備な寝姿。

「にゃん? (キルステン?)」
「おはよう。子猫ちゃん」

ゆっくりと目を開いた彼に私は心臓が止まりそうになる。 今、私は猫だが、ずっと好きだった彼と一緒のベッドの上にいる。 カーテンの隙間から朝日が差し込んでいて、鳥の囀りが聞こえる。

気分は「朝チュン」だ。

私は興奮する気持ちを抑えながら、ことの顛末を彼に説明する事にした。

「にゃ、にゃーん。(昨日の飲み物、何か入ってたと思うの)」
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