妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

9.猫の私は自由だ!

キルステンは執務室で仕事を開始する。私は応接セットの濃紺のベロアのソファーの上に乗せられた。キルステンは鈴を鳴らしメイドを呼び、何やら指示を出している。

私の心は沈んでいた。

コトンとテーブルの前にカラフルなマカロンが置かれる。

「おやつだ。食べるといい」

キルステンは少しそっけなく言い放った。先程、私がすんなりと彼の方に行かなかったから腹を立てている。

私はゆっくりと首を振り丸まった。胸が詰まってお腹なんて空いていない。

「ご機嫌斜めになる時もあるんだな」
「にゃあ(猫ですから)」

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