ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!
04 呪われし名の宿命
それは700年以上前のこと。
黒い森の正統管理者の一人であるヴォルフ家の当主をカミル1世が務めていた時の話だ。
カミル1世は管理する森に棲むブラックオパールの瞳を持つ黒蛇筋の妖女の色と妖力に惑わされ唆され、有ろう事か黒い森の支配者を欺いて己が森の支配者となろうとした。ブラックオパールの瞳は黒蛇筋の女の特徴だった。
しかしその企みは支配者の知るところとなり、謀反者としてカミル1世は黒蛇筋の妖女と共に支配者が遣わしたドラゴンによって処された。
問答無用にヴォルフ家と黒蛇筋の一族も皆殺しにされるところであったが、黒蛇筋の一族はドラゴンの目を盗んで辛うじて黒い森から逃げ出し、足を踏み込んだ者すべてが呪われるという北の果ての死の森へと逃げ込んだ。
ヴォルフ家の一族も皆殺しにされ廃家されるはずであったが、それまでの管理者としての実績と忠誠、また次代を継ぐ予定だったニクラス1世が聡明な人物であったため、支配者は執行猶予と言う名の枷を与えた。
それが122年に一度の紅の月の夜、ブラックオパールの瞳を持つ娘と結婚式を行い、その娘を生贄花嫁として支配者に捧げる儀式だ。ヴォルフ家一族の過ちを永代にわたって懺悔し、二度と同じ過ちを引き起こさないという誓いの儀式として。
この儀式を執り行わなければヴォルフ家の一族はもちろんのこと、ヴォルフ家が管理する森の生きとし生けるものすべてが支配者によって抹消される。儀式の不履行は再びの謀反と見做されるからだ。
カミル1世が処されてから122年毎にこの儀式を執り行うことになる当主には、呪われし名としてカミルの名が与えられた。
「だから俺のカミル7世という名もまた、呪われた宿命を背負う義務が込められているのだ」
「カミル様がそんな宿命を背負っていたなんて……」
黒い森の正統管理者の一人であるヴォルフ家の当主をカミル1世が務めていた時の話だ。
カミル1世は管理する森に棲むブラックオパールの瞳を持つ黒蛇筋の妖女の色と妖力に惑わされ唆され、有ろう事か黒い森の支配者を欺いて己が森の支配者となろうとした。ブラックオパールの瞳は黒蛇筋の女の特徴だった。
しかしその企みは支配者の知るところとなり、謀反者としてカミル1世は黒蛇筋の妖女と共に支配者が遣わしたドラゴンによって処された。
問答無用にヴォルフ家と黒蛇筋の一族も皆殺しにされるところであったが、黒蛇筋の一族はドラゴンの目を盗んで辛うじて黒い森から逃げ出し、足を踏み込んだ者すべてが呪われるという北の果ての死の森へと逃げ込んだ。
ヴォルフ家の一族も皆殺しにされ廃家されるはずであったが、それまでの管理者としての実績と忠誠、また次代を継ぐ予定だったニクラス1世が聡明な人物であったため、支配者は執行猶予と言う名の枷を与えた。
それが122年に一度の紅の月の夜、ブラックオパールの瞳を持つ娘と結婚式を行い、その娘を生贄花嫁として支配者に捧げる儀式だ。ヴォルフ家一族の過ちを永代にわたって懺悔し、二度と同じ過ちを引き起こさないという誓いの儀式として。
この儀式を執り行わなければヴォルフ家の一族はもちろんのこと、ヴォルフ家が管理する森の生きとし生けるものすべてが支配者によって抹消される。儀式の不履行は再びの謀反と見做されるからだ。
カミル1世が処されてから122年毎にこの儀式を執り行うことになる当主には、呪われし名としてカミルの名が与えられた。
「だから俺のカミル7世という名もまた、呪われた宿命を背負う義務が込められているのだ」
「カミル様がそんな宿命を背負っていたなんて……」