ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!
05 頑固者と召使
城の自室に戻るとラーラがリーゼの元へ慌てて飛んできた。
「すみませんっ、リーゼ様! ティータイム用のケーキを焼いていたんですが焦がしてしまって。とても食べられそうにないです」
「大丈夫よ、気にしないで。そうだ、私にケーキを作らせてもらえない?」
エプロンドレスに着替えたリーゼは厨房に行くと、パウンドケーキを焼くことにした。
まずボウルでバターと砂糖をよく混ぜて泡立てた卵も混ぜる。そこにふるっておいた小麦粉とふくらし粉を入れてさっくり混ぜ合わせたら、ブランデー漬けのサクランボを入れて型に流し込みオーブンで焼き上げた。その手際の良さにラーラは驚いた。
「リーゼ様はお菓子作りが上手なんですね」
「大公国のお城でもお仕事でお菓子作りをよくしていたの。もしよかったら他にも、お洗濯とかお裁縫とか編み物とか、いろいろな仕事を手伝わせてもらえないかしら?」
「駄目です! リーゼ様にそんなことをさせたら私達がカミル様に怒られます」
「でも、こんなによくしてもらっている恩返しをしたいの」
「じゃあ……カミル様の許可がおりたら」
「うん!」
「それにしても美味しそうなパウンドケーキ。御隠居様は甘いものがお好きだからきっと喜ばれると思いますよ」
「御隠居様って、カミル様のお爺様のニクラス様のこと?」
「はい。今からお部屋までお持ちになってみたら?」
リーゼは悩んだ。昨日の夕食会の感じだとニクラスには嫌われているはず。こんな包帯を巻いた醜い顔など見たくもないだろう。でも、ケーキは食べて喜んでもらいたい。
「ラーラが持って行ってくれない?」
「いいえ。リーゼ様が持って行くから意味があるんです」
「すみませんっ、リーゼ様! ティータイム用のケーキを焼いていたんですが焦がしてしまって。とても食べられそうにないです」
「大丈夫よ、気にしないで。そうだ、私にケーキを作らせてもらえない?」
エプロンドレスに着替えたリーゼは厨房に行くと、パウンドケーキを焼くことにした。
まずボウルでバターと砂糖をよく混ぜて泡立てた卵も混ぜる。そこにふるっておいた小麦粉とふくらし粉を入れてさっくり混ぜ合わせたら、ブランデー漬けのサクランボを入れて型に流し込みオーブンで焼き上げた。その手際の良さにラーラは驚いた。
「リーゼ様はお菓子作りが上手なんですね」
「大公国のお城でもお仕事でお菓子作りをよくしていたの。もしよかったら他にも、お洗濯とかお裁縫とか編み物とか、いろいろな仕事を手伝わせてもらえないかしら?」
「駄目です! リーゼ様にそんなことをさせたら私達がカミル様に怒られます」
「でも、こんなによくしてもらっている恩返しをしたいの」
「じゃあ……カミル様の許可がおりたら」
「うん!」
「それにしても美味しそうなパウンドケーキ。御隠居様は甘いものがお好きだからきっと喜ばれると思いますよ」
「御隠居様って、カミル様のお爺様のニクラス様のこと?」
「はい。今からお部屋までお持ちになってみたら?」
リーゼは悩んだ。昨日の夕食会の感じだとニクラスには嫌われているはず。こんな包帯を巻いた醜い顔など見たくもないだろう。でも、ケーキは食べて喜んでもらいたい。
「ラーラが持って行ってくれない?」
「いいえ。リーゼ様が持って行くから意味があるんです」