ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!
05 さようなら、リーゼ
春の嵐は過ぎ去った。
朝日が昇り青空が広がるとすぐにザシャは、家臣を連れて馬に乗りカミルとリーゼの捜索に繰り出した。
森のはずれの洞穴の中で、ぼろぼろの衣服のままずぶ濡れで抱き締め合って眠っているカミルとリーゼを見つけたザシャは、もう決してこの二人を引き離すことは誰にもできないだろうと思った。
城に戻りローブ一枚だけ纏ったほとんど裸のカミルがリーゼを抱き抱えて城のホールに入ってくると、心配して集まっていたヴォルフ家の一族をはじめイルメラやフリッツ、家臣や召使たち全員が騒めきの声を上げた。
カミルはリーゼをしっかりと抱き抱え、リーゼもしがみつくようにカミルの首に両腕を回してカミルの胸に顔を埋めている。その姿は愛し合う本物の恋人同士にしか見えなかった。
カミルが人々の雑音を無視しリーゼを抱き抱えたまま歩いていくと、泣きながらイルメラが駆け寄ってきた。
「よかった! リーゼもカミル様も無事で……」
「心配かけてごめんね、イルメラ」
カミルに抱き抱えられたままリーゼは謝った。
フリッツもカミルの前に進み出る。
「カミル様、リーゼを助け出してくれて、本当にありがとうございます」
「いや」
フリッツが礼を言うとカミルは一言だけそう言って、そのままリーゼを自室へと連れていった。
バスルームで抱き抱えていたリーゼを降ろし、リーゼの頬に片手を添えてやさしく見つめる。
「疲れただろ? 身体も冷えている。早く風呂に入ってゆっくり休め」
「カミル様こそ。すぐにお風呂に入って休んでください」
「じゃあ、一緒に入る?」
「えっ?」
朝日が昇り青空が広がるとすぐにザシャは、家臣を連れて馬に乗りカミルとリーゼの捜索に繰り出した。
森のはずれの洞穴の中で、ぼろぼろの衣服のままずぶ濡れで抱き締め合って眠っているカミルとリーゼを見つけたザシャは、もう決してこの二人を引き離すことは誰にもできないだろうと思った。
城に戻りローブ一枚だけ纏ったほとんど裸のカミルがリーゼを抱き抱えて城のホールに入ってくると、心配して集まっていたヴォルフ家の一族をはじめイルメラやフリッツ、家臣や召使たち全員が騒めきの声を上げた。
カミルはリーゼをしっかりと抱き抱え、リーゼもしがみつくようにカミルの首に両腕を回してカミルの胸に顔を埋めている。その姿は愛し合う本物の恋人同士にしか見えなかった。
カミルが人々の雑音を無視しリーゼを抱き抱えたまま歩いていくと、泣きながらイルメラが駆け寄ってきた。
「よかった! リーゼもカミル様も無事で……」
「心配かけてごめんね、イルメラ」
カミルに抱き抱えられたままリーゼは謝った。
フリッツもカミルの前に進み出る。
「カミル様、リーゼを助け出してくれて、本当にありがとうございます」
「いや」
フリッツが礼を言うとカミルは一言だけそう言って、そのままリーゼを自室へと連れていった。
バスルームで抱き抱えていたリーゼを降ろし、リーゼの頬に片手を添えてやさしく見つめる。
「疲れただろ? 身体も冷えている。早く風呂に入ってゆっくり休め」
「カミル様こそ。すぐにお風呂に入って休んでください」
「じゃあ、一緒に入る?」
「えっ?」