ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!
09 プロポーズ!?
雲ひとつない満月の夜。
リーゼが自室でラーラのためにレースのヘッドドレスを編んでいると、カミルがペールブルーのリボンがかけられた大きな白い化粧箱を抱えてやってきた。
「身体は大丈夫? 疲れはとれた?」
「はい、私は大丈夫です。カミル様は? 一日中ずっと外出してましたよね? 昨日の夜から全然休めていないんじゃ?」
「俺はお前に会えれば元気になれるから」
「あはは、嬉しい」
二人で見つめ合い、微笑み合う。
「この箱、開けてみて」
ペールブルーのリボンを解いて箱の蓋を開けると、中にはふわふわの純白のウェディングドレスが入っていた。
「すごい! かわいくて素敵!」
リーゼはドレスを箱から取り出して身体に当ててみた。
「これを着て儀式に参加するんですね。でもこんな最高級品のシルクのドレス、勿体ないですよ」
リーゼは本心からそう思って無邪気に言ったけれど、カミルは真顔でリーゼを見つめている。
「カミル様?」
「俺はお前を生贄花嫁にはしない。このウェディングドレスは、俺とお前が本当の結婚式を挙げる時に着るものだ」
「えっ……本当の結婚式!?」
「俺と結婚するのは嫌か?」
「そんなわけないっ! あっ」
カミルが嬉しそうにニヤリとしたのでリーゼは恥ずかしくなった。
「俺は必ず儀式を回避する。だから、俺のことを信じていてほしい」
「カミル様……ありがとう。でも無理はしないで。私、知ってます。カミル様が夜も寝ないで図書室に籠って調べ物をしてること。儀式を回避する方法を探してるんですよね?」
「……ああ」
「そういえば以前、図書室で生贄花嫁の儀式のことが書いてある本を偶然見つけました」
「何!?」
「文字が読めなくて何が書いてあるのかはわからなかったけれど。挿絵が儀式のことみたいだったから」
リーゼが自室でラーラのためにレースのヘッドドレスを編んでいると、カミルがペールブルーのリボンがかけられた大きな白い化粧箱を抱えてやってきた。
「身体は大丈夫? 疲れはとれた?」
「はい、私は大丈夫です。カミル様は? 一日中ずっと外出してましたよね? 昨日の夜から全然休めていないんじゃ?」
「俺はお前に会えれば元気になれるから」
「あはは、嬉しい」
二人で見つめ合い、微笑み合う。
「この箱、開けてみて」
ペールブルーのリボンを解いて箱の蓋を開けると、中にはふわふわの純白のウェディングドレスが入っていた。
「すごい! かわいくて素敵!」
リーゼはドレスを箱から取り出して身体に当ててみた。
「これを着て儀式に参加するんですね。でもこんな最高級品のシルクのドレス、勿体ないですよ」
リーゼは本心からそう思って無邪気に言ったけれど、カミルは真顔でリーゼを見つめている。
「カミル様?」
「俺はお前を生贄花嫁にはしない。このウェディングドレスは、俺とお前が本当の結婚式を挙げる時に着るものだ」
「えっ……本当の結婚式!?」
「俺と結婚するのは嫌か?」
「そんなわけないっ! あっ」
カミルが嬉しそうにニヤリとしたのでリーゼは恥ずかしくなった。
「俺は必ず儀式を回避する。だから、俺のことを信じていてほしい」
「カミル様……ありがとう。でも無理はしないで。私、知ってます。カミル様が夜も寝ないで図書室に籠って調べ物をしてること。儀式を回避する方法を探してるんですよね?」
「……ああ」
「そういえば以前、図書室で生贄花嫁の儀式のことが書いてある本を偶然見つけました」
「何!?」
「文字が読めなくて何が書いてあるのかはわからなかったけれど。挿絵が儀式のことみたいだったから」