ツンデレ当主の生贄花嫁になったら愛されすぎたので私は生贄になりたいんです!
02 カミルの涙
自室に戻ったリーゼは左目に巻いた包帯を外し床に投げ捨てると、広すぎるクイーンサイズのベッドに倒れ込み号泣した。
今までの人生は何だったの!? 全部嘘だったの!?
ブラックオパールの瞳で呪われし子として生まれたことを、恨んでは受け入れてを繰り返してきた。あの暗くて狭くてかび臭い監禁塔で、毎日毎日狂いそうになるのを隠しながら、くだらないような小さなことに喜びを見出してきた。
イルメラと継母に意地悪をされても、更に嫌われないようにと辛くても笑って見せた。イルメラばかりかわいがる父親の大公が悲しかった。いつしか誰にも愛されないのも当たり前になり平気になった。それがすべてはマルゴットのせいだというの?
でもどうしても母親のように面倒を見てくれたマルゴットがそんなことをするようには思えなかった。誤ってリーゼの瞳に薬品をかけてブラックオパールの瞳にしたとしても、大公に正直に名乗り出たはずだ。
でも今はもう何もわからない。誰もが信じられない。誰もが許せない。
その中でも最もリーゼの心を殺したのは、カミルの心変わりだった。
嵐の夜にずっと好きだったと告白されて以来、何度も抱きしめられたりキスしたりした。カミルと再会できたのは運命だと思った。カミルと森のために生贄花嫁になってもいいと心から思っていたし、覚悟もできていた。その反面、カミルが言うように生贄花嫁の儀式を回避できて本当に結婚できるならと夢見てもいた。それは人生ではじめて感じる希望というものだった。でもそれもすべて嘘だった。
生贄花嫁ではなくなった途端、用無しだと捨てられた。結局カミルは生贄花嫁だから引き留めようとしていただけ。その証拠に儀式が終わった後の本当の花嫁候補としてイルメラを連れてきた。
今までの人生は何だったの!? 全部嘘だったの!?
ブラックオパールの瞳で呪われし子として生まれたことを、恨んでは受け入れてを繰り返してきた。あの暗くて狭くてかび臭い監禁塔で、毎日毎日狂いそうになるのを隠しながら、くだらないような小さなことに喜びを見出してきた。
イルメラと継母に意地悪をされても、更に嫌われないようにと辛くても笑って見せた。イルメラばかりかわいがる父親の大公が悲しかった。いつしか誰にも愛されないのも当たり前になり平気になった。それがすべてはマルゴットのせいだというの?
でもどうしても母親のように面倒を見てくれたマルゴットがそんなことをするようには思えなかった。誤ってリーゼの瞳に薬品をかけてブラックオパールの瞳にしたとしても、大公に正直に名乗り出たはずだ。
でも今はもう何もわからない。誰もが信じられない。誰もが許せない。
その中でも最もリーゼの心を殺したのは、カミルの心変わりだった。
嵐の夜にずっと好きだったと告白されて以来、何度も抱きしめられたりキスしたりした。カミルと再会できたのは運命だと思った。カミルと森のために生贄花嫁になってもいいと心から思っていたし、覚悟もできていた。その反面、カミルが言うように生贄花嫁の儀式を回避できて本当に結婚できるならと夢見てもいた。それは人生ではじめて感じる希望というものだった。でもそれもすべて嘘だった。
生贄花嫁ではなくなった途端、用無しだと捨てられた。結局カミルは生贄花嫁だから引き留めようとしていただけ。その証拠に儀式が終わった後の本当の花嫁候補としてイルメラを連れてきた。